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聖杖物語黒の剣編エピソード5黒の剣  作者: さば・ノーブ
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聖杖物語黒の剣編エピソード5黒の剣第2章Part3

気を失った美琴。彼女と虎牙を救わんが為、3人の勇者が乗り込む。

北の黒王が、復活を始める中、救出劇は成功するのか?

「いいか、マコ、ヒナ。私から離れるな!」白い聖導士の服を纏ったパクネが、二人に言う。

「はい!先生!!」マコとヒナは、聖導マントをはためかせてパクネと一緒に走る。

「この先だ、気を引き締めて行くぞ!」パクネは、右手のブレスレットからボウガンを出しながら自らに言い聞かす様に2人の生徒に言った。玉座の後から、内部を伺う。祭壇に立つ黒い剣から、物凄い闇の渦が沸き立って、どんどん大きくなって行く。その前に佇んで居るのは、

「虎牙兄さん!」マコが見た者は、祭壇の前に立っている虎牙と、

「ミコッタン!」ヒナは、小声で言う。そう、マコの目に虎牙の足元で倒れている美琴だった。

「しっ!2人共声を出すな。!」パクネは2人に黙るように命じた。

「気付かれる。それにしても、虎牙君の様子がおかしい。チャンスを待つんだ、マコ、ヒナ。」パクネは視線を黒の剣、黒王ジキムに移した。

ーしまった、遅かったか。ヤツはもう復活を始めている。-パクネの心配は的中した。

ーくそっ!もう我々では歯が立たない。ヤツを止める事は出来ない。・・ならば、せめてあの2人だけでも助けねば。-パクネは、マコとヒナを振り返って言う。

「私がヤツラの気を引く。その間に美琴と虎牙を安全な場所まで連れ出せ。解ったか?」

「はっ、はい!」マコとヒナは、決死の表情で答える。

「ふっ!マコ、ヒナ。悪い先生で済まなかったな。2人を頼むぞ。」パクネは死を覚悟して、2人に詫びた。だが、マコがそんなパクネを見つめて、

「・・・先生、白井先生。皆で帰ろう。あたし達の世界へ。」マコがパクネを制する。

「マコ!・・お前・・」パクネはマコの強さに驚いた。

「ふふふっ、先生が生徒に教えられるとはな、教師失格だな。よし、帰るぞ、皆で。約束だ!」パクネはマコの手を握り、

「ヒナ、虎牙君の様子がおかしい。もし、手こずる様なら美琴だけでも連れてくるんだ。」

「了解です。」ヒナは頷き、

「先生、気を付けて!」と、答える。

パクネは頷き、

「よーし、行くぞ!」祭壇目掛けて、突撃を開始した。

「炎のファイアアロー!」ボーガンから矢を次々に打ちかけ、虎牙と美琴を囲む魔獣鬼に命中させる。魔獣鬼が、パクネに気付き、追い始めた。

「よし、今だ。ヒナ!行くよ。」

「了解です!」2人は一気に美琴の所へ駆け寄った。マコが、

「美琴!しっかりしろ!!」肩を揺さ振り、美琴を起こそうとする。

「うっ、うっううっ。」美琴は、まだ動けそうにない事を悟ると、肩に手を回し抱き起こして、美琴をよろめきながらも引っ張り出す。一方ヒナは、

「虎牙兄様、大丈夫ですか?」そう言いながら、顔を覗きこむ。

「うっ!目が死んでますです。」ヒナは虎牙が普通でない事を確かめて、後退りしてマコに言う。

「マコッタン!虎牙兄様は駄目っぽい。です!」振り返ったマコが、

「解った、ヒナ。手を貸して、美琴を安全な所まで連れてくから!」

「わかりました!です。」マコとヒナは美琴の両肩を持って、玉座の裏へ逃げ込んだ。

「美琴、美琴!」マコが肩を揺らし、美琴を気付かせようと必死に呼び掛ける。

「うっ!あっ!」苦悶の表情の美琴が、薄っすらと瞳を開ける。

「あ、マコ?・・・マコなの?」

「そうだ美琴。しっかりしろ!」美琴は目を見開き、

「どうして・・マコが?」

「そんな事、後で良い。それより立てるか?」マコが心配顔で訊く。

「う、うん。痛っ!」起き上がろうとした美琴が、お腹を押さえて蹲る。

「大丈夫か?美琴?」マコが心配顔で言う。

「早くここから、出ようなのです。ヒナがパクネの方を見ながら言った。

「いつつっ、あ、そうだ!虎牙は?虎牙は何処?」美琴が急に取り乱して、マコに訊く。

「あそこで、突っ立ってる。」マコが指差す方に、虎牙はいまだ動かず立っていた。

「虎牙!」美琴が飛び出そうとするのを押さえつけ、

「待て!美琴!!今行っても、無駄だ!」

「待つのです!」ヒナが美琴の前で、立ち塞がる。

「でも!虎牙が!虎牙が!!」

<パチンッ!>

美琴の頬を、マコが叩いた。

「美琴!しっかりしろっ!」

美琴は叩かれた頬を手で押さえて、ビックリした顔でマコを見る。

「今、美琴が出て行けば、虎牙兄さんも白井先生もヤツラに殺されちまうぞ。美琴がいない事に気が付けば、きっと探し始めるだろう。その隙に虎牙兄さんを助けよう。いいな、美琴。」涙目の美琴は一言、

「うん、マコの言う通りだね。ありがとう、あたし自分を見失ってた。」

「それで良い、美琴。」美琴の肩を持ち、マコが頷く。

「マコッタン、ミコッタン。白井先生がヤツラを遠退けてくれたです。」マコは振り向き、

「よーし!ヒナ、美琴!チャンスだ。虎牙兄さんの所へ行くぞ。」

「うん!」

「了解なのです!」3人は虎牙の元へ駆け寄った。そして口々に呼び掛ける。

「虎牙!」「虎牙兄さん!」「虎牙兄様!」しかし、それでも虎牙は、目覚めない。美琴が虎牙の手を取り、

「起きて!おきてよ、虎牙!」叫ぶ様にして言うが、反応は無かった。その時一匹の魔獣鬼が、飛び掛かってきた。

「危ない!美琴!!」マコの悲鳴が響く。

美琴を救出する事に成功した3人。後は虎牙を目覚めさせる事が出来るのか?

その方法とは?美琴は愛する虎牙を呼び覚ませられるのか?

次回第3章北の黒王こと、黒の剣Part1

次回も読んでくれなきゃ駄目よーん!

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