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聖杖物語黒の剣編エピソード5黒の剣  作者: さば・ノーブ
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聖杖物語黒の剣編エピソード5黒の剣第2章友情Part2

美琴のピンチに、マコとヒナが白井先生を伴って立ち上がった。

一方美琴は気が付いた。そこには黒い剣が祭壇に突き立っていた・・・

「くそっ!魔獣界で何かが起こってるな。北の黒王の奴、動いたか。」パクネは空を見上げながら呟く。そこへ、

「白井先生!」マコとヒナが走ってくる。

「何だ?お前達。こんな所に?」パクネが訊くと、マコが必死に訴える。

「美琴が・・・美琴に何かあったんです。」

「ミコッタンが、危険なのです。」ヒナもパクネに向って言う。

「お前達、何を言ってるんだ。何を証拠にそんな事を・・・」

「白井先生、あたし達知ってるんです。美琴が水晶の巫女だって言う事を。」マコがパクネの目を見つめて叫ぶ様に言う。その真実に、

「!何で、何故それを!?」

「・・・記憶は消せても、体は覚えています。だから、取猫さんに会った、会えたんです。そして、聞きました。全てを・・・」マコがパクネにネックレスを見せる。

「!お前それは!!」

「取猫さんに貰いました。これ・・・聖導器って言うんですね。お守りになるって、言われましたけど。これが告げるんです。美琴の身に危険が迫っているって、だから!」マコがパクネに取り縋る。

「あたし達美琴の力になりたい。絆を守りたいんです!」マコとヒナの目には、曇りは無かった。素直な瞳でパクネに向かい合っていた。

「・・・お前達、本当に仲が良いんだな。友達ってこうなんだな。」パクネは少し笑いを浮べて言った。

「ふっ、そうか。なら、私も行こう。教師が生徒を見捨てる事は出来ないからな。」

「白井先生?」マコとヒナがパクネを見つめる。パクネは2人に、

「2人とも、この先何が起きても知らないぞ。・・死ぬかも知れない。それでも行く勇気があるか?」マコとヒナは死の一言にも屈せず、

「はい!美琴を救えるなら、後悔は有りません。」マコとヒナの素直な顔を見て、

「ふっ、バカだな、お前達。」パクネは呆れた顔になりながら続けた、

「私も馬鹿の一人か。生徒を救う為に二人の生徒を危険に晒す、馬鹿教師。馬鹿、バッカだな。」そして、意を決した様に、

「それじゃあ、馬鹿者共で美琴を救い出そうじゃないか。征くぞ!」パクネは走り出す。マコとヒナを連れ立って、取猫の居る<白猫堂>へと・・・。


<ピチャン>あたしは頬に冷たい物が当たって気が付いた。

ーう、あたし・・・まだ生きてる。ここは?何処?-あたしはうっすらと目を開けて周りを見る。あたしの前には、祭壇とそれに突き立った黒い剣があった。周りには誰も居なかった。

ーそうだ!虎牙は?虎牙は何処に居るんだろう。-まだ体中に痛みがあるが、ゆっくり起き上がって虎牙を探した。

「巫女よ、そなたの力、我が貰い受けるぞ。大王復活の為にな。」突然、祭壇の方から声がした。

「誰?あたしをどうする気?」祭壇に向かってあたしが訊くと、

「くっくっくっ、我が巫女を喰うだけの事。聖姫と同じ様にな。そなたの母と同じ様にな。」

「!お母さんを喰らったですって?」

「ふふふっ、お前の母は、水晶の欠片しか持っていなかった。故に我は完全に復活できず、この剣を寄り代としているのだ。美琴よ。いや、獣皇姫巫女<セインビースト・ヒミコ>よ。」

「!?、お母さんをお前が・・・喰らったなんて。許せない、黒王ジキム許さないから!」あたしは怒りを顔に出して叫ぶ。

「くっくっくっ、怒れ、呪え、我が水晶の力となれ!」

ーくっ!そうだ、ダークサイドは怒りや、恐怖、絶望が力の根源。ジキムの思う壺だ。落ち着けあたし。ジキムに乗せられてはいけない。-

「喰らった後は、どうする気よ。ジキム!」黒い剣が笑いながら言った。

「ぐははははっ、力さえ手に入れれば、剣から解放され、我はあるべき姿に戻れる。そして闇の大王を復活出来る姿を得るのだ。」

ージキムはまだ本来の姿に戻っていない。あの剣さえ壊す事が出来れば、復活を阻止出来るって事!-

「美琴よ、我の一部となるのだ。さあ、儀式の始まりだ。」黒の剣が闇のオーラを噴出す。

「あたしは、お前なんかに負けない。」右手を高く掲げて、黒の剣に立ち向かおうとした。

ー!- 「あっ!」あたしの手を、後から何かが掴む。振り向くと、いつの間にか魔獣鬼がいた。しかも、何匹も。

「は、離してっ!」手を振り払おうともがくが、逆に押し倒されてしまう。

「あっ!い、嫌!!」あたしの周りに魔獣鬼が群がった。

「くっはははっ!巫女の相手はそやつらがしてくれようぞ。たっぷり絶望を味わうがが良い。その絶望が我には、何よりの馳走だ。」黒の剣が、高笑いしながら魔獣鬼をけしかける。

「こ、来ないでっ。嫌、こんなヤツラに汚される位なら、死んだ方がましよ。」

「ふっふっふっ、そう簡単に死なれては困るぞ巫女よ。こやつがどうなっても、良いのか。」黒の剣は、黒い霧で一人の男を掴み出した。

「!虎牙!」あたしの前に、黒い霧で束縛された虎牙を吊るし出した。

「ひっ卑怯者!虎牙を放して!!」あたしの叫びに、

「くっくっくっ!愛する者の前で汚し尽くされる絶望を、味わうと良い。」

「そんな、酷い!」

「ふっふっふっ、そーれそれ。いい絶望感だ。もっと味わえ、もっとだ。」あたしの目の前に虎牙が居る。生気を失った目をして。

「虎牙、目を醒まして!お願い!!」そう言うあたしに、

「良いのか?この男を醒ましても。そうすれば、お前の汚される姿をこの男は見る事になるぞ。ぐははは。」あたしを取り囲んだ魔獣鬼が近寄る。

「ああっ!そんな事。嫌ぁ!!」あたしを取り囲んだ魔獣鬼が一斉に伸しかかって来る。

「くっ!嫌っ、やめてっ!!」あたしに掴みかかる魔獣鬼に、

「炎の矢<ファイアアロー>!」数本の炎の矢を突き立て、吹き飛ばす。続けておき起き上がり様に、

「聖なる風<ホーリーウィンド>!!」あたしを囲んでいた魔獣鬼2匹が吹き飛ぶ。

「はあはあはあっ。」あたしは荒い息を吐きながら、虎牙の元へ走った。

「ふふふっ、なかなか味な真似をする。それで良い、さらなる絶望を受けるが良い。巫女よ。」黒の剣が、虎牙を高く吊るし上げる。

「虎牙を、還せぇっ!」あたしは虎牙を縛っている黒い霧目掛けて、

「超破弾<メガバースト>!」を、放った。<ズドンッ!>強烈な爆風を挙げて、黒い霧を断ち切った。虎牙はそのまま床に投げ出される。

「虎牙!」あたしは、虎牙に駆け寄った。

「虎牙!しっかりして!!」虎牙に辿り着いた時、<ドスッ!>あたしの身体に虎牙の拳がめり込んだ。

「はっ、あっ!」鳩尾に一撃を喰らい、息が詰まる。

「虎牙・・・虎・・・牙ぁ・・。」目の前が真っ白くなり、意識が遠のく。

ー絶望。そう、これが絶望という物なの・・。虎牙ごめん、救えなかった。ごめんね。-涙が頬を伝って堕ちて行く。

「ぐはははっ、貰ったぞ、巫女よ。お前の絶望を、水晶の負の力をな。ぐっはははっ!我、復活の時来たれり!」黒の王ジキムが、高笑いし剣から黒い霧を噴出す。

あたしは、虎牙に抱きついて気を失った。

いよいよ、黒の魔王北の黒王が復活を始める。

気を失った美琴。自我を失っている虎牙。2人を助ける事が出来るのか?

次回Part3、友情は闇に打ち勝てるのか?

次回も読んでくれなきゃ駄目よーん!

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