白蛇の「主人様の恋敵を自分に恋させよう」大作戦。
今回は、ランの恋敵に見られている、紗菜をランの使い魔のハクトに恋させよう❗というサブタイそのままのお話です❗
白蛇、ハクトが出てきてから、2日後…
ハクトは、
紗菜と二人になれるチャンスがあると、
紗菜とずっと話をしてる。
「紗菜さんは、とっても綺麗ですよねぇ。」
真面目な顔で、ハクトがそう言うと、
「何言ってるの?冗談でもやめてよ」
沙菜は笑ながらそう言って、
ハクトを突き飛ばした。
紗菜がハクトを突き飛ばした場所は、
大きな亀裂がある場所だった。
紗菜はその事に気づいて無いようで、
たまたま、その一部始終を見ていた優真は、
ハクトが落ちそうになっている事に気づく。
「バカ!!」
優真はそう沙菜に言ったあと、
落ちそうになっている、ハクトに手を貸した。
「別に…これくらいなら、俺一人でも
大丈夫だったんですけどねぇ。」
優真に助けられたにもかかわらず、
ハクトはそう言って、優真にそっぽを向けた。
そしてまた、紗菜の所にいくと話をしはじめる。
優真はその時、
「礼もないなんて、失礼だな。」
と、少し怒っていた。
あれから数時間。
「ねぇハクト、そろそろ蛇の姿に戻って、
背中に乗せてくれない?もう歩き疲れちゃった。」
紗菜がハクトにそう言うと、ハクトはこう言った。
「俺もずっと、人を乗っけてると、疲れるんでねぇ。」
すると、そんな場面を見ていたランが、
すかさずハクトにこう言う。
「いいですか。恋敵を無くすためには、
その子のハートをガッチリ掴むんですよ!!
乗せて欲しいと言われれば、
お嬢様の仰せのままに。とか言って乗せないと。」
そう言われると、ハクトは呆れてるような顔でこう言う。
「お嬢様の仰せのままに。って、
それぇ、主人様の趣味の方ですよねぇ?」
「そ、そそ、それは、関係ないでしょ!」
ランは恥ずかしそうな顔で、ハクトにそう言った。
二人が何か、話している所が楽しそうに見えたのか、
紗菜はハクトとランにこう言った。
「ねぇねぇねぇ、何話してるのー?」
それを見ていたリンは、
今回あまり冒頭出番が無かったせいか、
ハクトに紗菜をとられるかと思ったのか、
紗菜の方へ行き、
「紗菜ちゃん。急ごう…ね?」
そう言って、紗菜の手を取り引っ張った。
「うん。でも、ちょっと痛いから、
放してもらえるかな?リンくん。」
紗菜は笑顔でリンにそう言う。
リンは紗菜にそう言われると、顔が赤くなり、
フードを深く被った。
「ギャオーン」
何処からか、モンスターの声が聞こえてくる。
「皆下がれ。」
優真が皆にそう言うと、
何処からか、霧が出てきた。
次第に霧は濃くなり、
誰が何処にいるのか、分からなくなった。
「マヤー何処にいるのだー」
ミヤはマヤを見失ったのか、大声でマヤを呼ぶ。
何処からか聞こえてくる、
ミヤの声にマヤは安心していた。
「ミヤ、無事なんだ、ね。よかっ、た。」
ハクトは、白蛇の姿へと戻り、ランと紗菜を探していた。
「主人様と紗菜さんは何処にいるんだぁ?」
その時、リンは必死に紗菜を探していた。
「紗菜、紗菜、何処にいるんだ。」
そう言って霧の中、
周りが見えないのに探し続けるリン。
紗菜は、リンの声が少しだけ聞こえていた。
その時だった。
「ギャオーンギャァー」
モンスターは唸り声を上げ、
人間の姿に戻っていたハクトに、
襲いかかろうとしていた。
「危ない!!」
紗菜の目の前には、
モンスターが誰かを
襲おうとしている所が見えていた。
ハクトは、紗菜の声に気づいたのか、
急いで振り返った。
そして、一瞬にして白蛇の姿に戻り、
モンスターに噛みつき殺した。
ハクトがモンスターに噛みついた時、
霧はどんどん晴れていった。
霧が晴れた時、紗菜が見たものは、
ハクトの変わった姿だった。
人間の姿のハクトの口元は、真っ赤で、血が垂れていた。
そして、服には飛び散った血の跡と
モンスターの引っ掻いた跡があった。
何より、ハクトの瞳は、いつもの紫の瞳ではなく、
血塗られた赤の瞳だった。
「ハクト…?」
紗菜がそう言うと、
「近づかないで!!」
ランが紗菜にそう叫んだあと、
紗菜の近くに駆け寄り、
その場から離れるように言った。
数分後…
ハクトの瞳は、紫色に戻っていた。
皆は、何事もなかったかのように、
数分歩いたところにテントを張った。
その周りにリンとラン、
それにミヤとマヤが、結界を張っていた。
そんな頃、ハクトは紗菜を、
少し奥の池の辺りに呼び出していた。
紗菜は、ハクトに言われた通りに、その場所へ向かった。
その場所についても、ハクトは見当たらず、
紗菜が切り株に座っていると、
ハクトはゆっくり後ろから、紗菜に近づき、
後ろから紗菜を抱きしめ、
「ありがとう。助けてくれて。」
そう言った。
「やめて。」
沙菜は振り向き、真剣な顔で、ハクトにそう言う。
「どうしてですかぁ?」
ハクトは悲しい顔でそう言った。
「ハクト、ランに本当の事を言えば?」
沙菜はそう言うと、
自分を抱きしめているハクトを、振り払った。
「え…?なっ、何言ってるんですかぁ。」
ハクトはそう言って、動揺した。
「ただ寂しくて、必要とされたいから、
何でも、言うことを聞くんでしょ?
だからって、こんなの駄目だよ。」
紗菜がそう言うと、
「ただ必要とされたいからだけじゃない。
何かしたいんだ。じゃないと生きている心地がしない。」
ハクトは紗菜の顔を見て、真剣にそう言った。
「でも、」
紗菜がそう言いかけると、
「あーあぁ、見事に失敗ってやつですねぇー。
主人様に怒こられちゃうなぁー。まぁ、いいですけど。」
ハクトは笑った顔でそう言うと、
ラン達がいる方へ戻っていった。
どうだったでしょうか?
面白かったり、アドバイスなどあれば、
コメント下さい!!