飯食い
腹が減った。
俺には自分にとって大切なものがある。
それは食事だ。
これだけはどんなに体調が悪くてもやめられない
俺はすむ町にはいい感じに古びた定食屋がたくさんある
まさに天国だ。
さぁ外に出よう。
外に出ると昼過ぎだというのにがらんとした町並みが広がっている
友達は皆、つまらないと言い上京してしまった。
上京したところでなにも変わらないと思うけどね。
そんなのはどうでもいい
今は食事のことだけ考えればいい
さて何を食うか?
魚?肉?麺類?イタリアン何てのも捨てがたい
俺は決められないのだ。
ならピンときた店に入ろう
いつもの決め方だ。
入った店はやはり今時の感じではなく古くさくしかし暖かいイメージをあたえてれる店だった。
さて何を頼むか。
ずらっと並ぶメニューに圧されながらじっくりと考える。
だが腹の虫は待ってくれなそうだ
財布の中身を確認し、余裕がある。
なら、
なるべく大きくならないかつ聞こえるように注文をする
「春巻を一人前 それと卵焼き あと魚フライを」
一度言ってしまえばすらすらと言葉が出てくる。
メインを考えるのには少し頼みすぎたか。
いいや足りないね。
五分ほどして春巻が出てくる。
餃子の皿のような皿にのりはしっこにはカラシがついている。
やはり春巻はいい
春巻の味に感心していると卵焼きと魚フライが同時に出てきた
卵焼きの隣には大根おろしがのっている
これは嬉しい
魚フライにはキャベツの千切りに少量のナポリタン、マカロニサラダがついている。
これまた予想外の事だ
とても嬉しい
卵焼きのふわふわさ、フライのサクサクさ
どっちも満足だ
さてメインだ
今の三品で腹の虫も少しは落ち着いた
じっくりと考えられる。
米にするのは決まりだ
あとは丼か定食か
悩みどころだ
よし
これだ
「この肉丼ってやつを下さい」
注文から思ったより早く出てきた
で、でかい
思ったより量があるな。
いいね
食べごたえ満点だ
肉は豚だと勝手に予想してたが牛と豚、それに挽き肉をしょうが焼きっぽく炒めたものだ。
うまい
腹にズシッとくる
ああ生きてる
幸せだ
俺はひたすら丼の中の幸せを口にかきこんだ。
ふぅ…
これはやめられないな
やはり飯は偉大だ
さて食後に町でもうろつくかな。