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水コンピューター



 唐突かもしれませんが。


 昔、水コンピューターを設計したことがあります。



 あれは、学生のとき。ちょっとした科学系のサークル、というか、ぶっちゃけちゃえば宇宙科学で遊んじゃうサークルに所属していたんです。ロケット班、科学班という二つの班があって、ロケット班は割と真面目に(でも結構不真面目に)化学推進ロケットを作っていて、科学班はその他の宇宙物理学だのなんだのの勉強会をしてみたりしてみなかったりするようなゆるい活動で。


 さて、ある年の学園祭で、科学班の展示として『水』にフィーチャーした展示場を作ろうぜ、ってことになったんですね。水(H2O)に関するいろんな小ネタをパネルにしたり冊子にしたり、水に関係する体験型実験装置をいろいろと置いてみたり。割と小さな子供向けで。大きな講義室を丸々借りて、全面にビニールシートを敷き詰めて(結果としてこれが正解。当然の帰結として展示物の性格上、床は水浸しになりました(笑))。


 そんな中で、水コンピューターを作ろう、と言い出したんです。私が。


 電気回路と水路は似ている!


 というのが当時の私の持論でして。紆余曲折あってね、ロボット工学が専攻だったはずが、いつの間にか熱力学+流体工学が専門になっていたんですけど、流路の方程式と電気回路の方程式が、とてもよく似てるんですよ(ついでに言えば流体力学の方程式と電磁気学の方程式も形がそっくり)。だから、これ、作れるでしょ、と。


 誰も賛同者がいなかったので、サークルノートにしこしこと論理ゲートの設計図を一人で書き付け始めまして。知ってる人は知ってると思いますが、コンピューターを作る論理ゲートって、NAND回路一種類をうまく組み合わせれば案外何とかなるんですよ。なので、とにかく水路でNANDゲートを作ろう、と。


 できました。設計図上は。


 で、いざ製作しようと思ったんですけどね、流路をどうしてもループさせて揚水ポンプを設置しなくちゃならない構造があったりして。高い位置に巨大な水槽を置いてその水圧だけで駆動することを志向していたので、その部分もうまくタービンポンプで動かしたりできるっちゃできるんですが、とてもじゃないですがホームセンターで手に入るような部品じゃないし、何しろ、部品点数を数え上げただけで一番簡単な1ビット加算回路(半加算器)だけで数十万円分は必要でしてね。


 そんなわけで、水コンピューターは幻となりました。



 SFでは割と定番ネタ(?)らしいので、検索してみると面白いかも。でもあくまでネタ扱いで、本気の設計図は見つからないなあ……。


つづく?

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