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アポロは月に行ったのか



 有名な陰謀論に、こういうのありますよね。


 アポロは月に行ったのか。




 あの影の落ち方はスタジオ撮影だとかなんとか、いろんなネタで、アポロは実は月に行ってない、っていう陰謀論、ありますよね。



 面白いですよね。いや、『行ったに決まってるじゃん、なぜなら~~』とやるようなお話じゃないんです。


 そういう視点って、大切だし楽しいよね、って意味で。


 つい先日も、重力波が検出されましたってニュースがあったじゃないですか。


 あれって、研究グループが『検出されました』って言って、別の研究者たちが『確かにそれっぽい』って言ってるだけで、それが本当かどうかなんて、誰も確かめられないわけですよ。確かに、こんな波形がこっちの装置とあっちの装置で検出されて、検出された時間差がこうだからこの確度で入射したと考えれば説明がつくし、ブラックホールの合体理論の予測ともぴたりと合うから間違いないよね、って理屈はいいんですけどね。


 その波形、本物?


 ほら、これ言っちゃうと、全部ひっくり返るんですよ。


 アポロが月に行ってないっていう陰謀論も、基本的には同じ構造ですよね。その映像、本物?


 いくら、スタジオ撮影だっていう理屈を否定したとしても、最終的には、完全完璧な月の模擬環境で撮影してたっていう主張までは覆せないわけですよ。



 例えばね、鉄球を滑らかな坂の上を転がす。この簡単な実験で、重力加速度が世に言われているとおりだってことは確認できますよね。だから、重力加速度、約9.8m/s^2って数字、それ、本当? ってことに対しては、世の中のほとんどの人が、それが本当だと確認できるわけですよ。同じように、ちょっとがんばって長距離移動して太陽だか星だかの位置を測定する手間さえかければ、誰にでも地球の大きさは測れます。



 アポロとか重力波とかって、個人が追検証するには現実離れしすぎてる、そういうことなんです。


 つまり、こういうのが嘘かもしれない、という立場は、あくまで自ら追検証することで確認したいという、科学者の態度としては極めて健全であり賞賛されるべきことなんですよ。



(なんだこの偉そうな態度は)



 とか言いつつ、とりあえず、科学的な手続きに基づいて公式に公開されたデータは、信用するのが原則だとは思いますけどね。ほんと、某O女史のやったことは、こういう『科学の信頼を支えている根幹』をぶち壊しにする最悪の行為です。あの事件さえなければ、科学的に正しい手続きで公表されたんだから、ってのが、データの信頼性を主張する最大の根拠にできるはずだったのにね。



 閑話休題。



 ともかく、何でも疑ってみる、疑うべきポイントはどこにあるのかを整理してみる、これって、とても重要なことだと思うし、ほら、将来、AIが人間にとってかわるなんて話あるじゃないですか、でも、物事を疑うっていう作用は、AIには非常に難しい分野だと思うんです。某G検索で「もしかして:」ってのも、疑ってるんじゃなく、(より)正しい(らしい)のは何か? という問いに対するアンサーじゃないですか。それって嘘だろ、っていう心理的作用は、当面AIには真似できないと思うんです。


 なにより、それって嘘じゃね? っていう問いが多くの文学や科学を生み出してきた、ってことは歴史が証明していますからね。


 アポロは月に行ったのか。大いに疑いましょう。


つづく?

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