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誰が書いたの?~先入観の話

 この文章、誰が書いたの?


 気になりますよね。


 本来は、文章に向き合う時はニュートラルであるべき、なんてことを言いながらも、気になりますよね。



 ツイッターとかで何度かつぶやいてるんですけど、結局最強のコンテンツは『人』ってことの意味。


 それは、誰が成したか? ということを、やっぱり誰もが気にしてしまうから、ってことだと思うんです。



 その人の『人のチカラ』があるかどうか。



 ある人が、何かを成せるかどうかって、もうほんと、その一点しかなくて、やれる人は何やってもやれるし、やれない人は何やってもダメ。



 別にやれない人を貶す意図はないんです。人が持っている生来の力ってやっぱり人それぞれで、その人自身の力だけで他人を魅了できる人とそうじゃない人ってのは必ずいるんです。社会的生物としての人間の在り方としてはむしろ後者の方が正解だと思うくらいで。そして、一人でやれないと気づいて人と協力し合うことも実は『人のチカラ』。個人個人に合ったやり方があるんだからやり方を間違えないように、ってこと。


 ぶっちゃけね、私は『月立淳水』というどこともひもづかない完全に孤立した名義をあえて立ち上げて小説の公開を始めたんですけどね、これだけ整った環境で小説を公開させてもらえて、それでもちっとも評価されないなら、そもそも単独の人としてその力が無い、と考えておくのが安全なんですよ。間違っても、『まだ本気を出してないだけだし、そろそろ会社辞めて本気出すか~』とか考えちゃダメなんです。小説の一本も商業化できないヤツが会社辞めて何やったってダメなんです(笑)。


 あと、まだ社会に出ていない人にもぜひとも心に留めておいてほしいこと。 

 夢を見るのは良いんだけど、何か投資なり特許なり起業なりなんなりで黙ってても懐に金が入るような仕組みでも作って有り余った時間でのんびり小説家を目指そう、なんて思ってるとしたら、危険です。そんなことができるほどの『個の人のチカラ』を持った人は、処女作を一発で書籍化できます。


 何が言いたいかって、他の何らかの方法ででも『独り立ちできてる』『By Nameで求められる』ような実績がある人ってのは、やっぱり小説の世界でもその人のチカラってのをいかんなく発揮できるはず、ってことなんですね。



 じゃあ才能が無い人はどうすればいいんでしょう。


 簡単なことです。地道に進み、大いに人に頼りましょう。


 努力努力で実績を積み重ねていろんな賞で途中選考に名前が載るようになってどこかの編集者さんが目をつけてふいに……新人賞のお膳立てとか編集者さんの歓心とか、要するに、他人に甘えて一歩一歩前に進む、ってのは、会社に属しているのと同じ、だから地道が一番。そしてそれも『人のチカラ』の一つ。


 さらに、いろんな人に助けてもらってアイデアや表現を磨く。そうして成長した様をその人に見てもらう。あるいは、口コミ的に広がっていくことを期待する。


 結局、誰もが気づかぬうちに、上みたいなことを察してるんですよね。何かやれてる人間は何かしら見るべきところがあるはずだ、って。それが、努力や謙虚、あるいは人に上手く寄り添う才能なんてのでもいいと思うんですね。



 すっごい話がそれちゃった。閑話休題閑話休題。



 さて、はっきり言うと、『面白いと思ってもらえる小説の書き方』の極意って、これなんです。



 ――『読者に先入観を持たせること』



 この小説は面白いはず、と思って読んだ小説は、やっぱり面白く感じるんです。たとえ内容や表現が月並みなものでも。人間の感じ方って、こんなもんですよ。


 なんかね、『ホンモノ』を志向する考え方ってあると思うんですけどね、最終的に読むのは人間なんですから、『ホンモノ』なんて無いんです。ありもしない本当の面白さを求めるよりも、読者が面白いと思うことを求めましょう。



 そんな中の一つ、そして最大の『先入観』が、やっぱり『人』なんです。



 この人の作品だから面白いはず。


 そう思わせたら勝ちです。


 ここで言う勝ち負けは、読者を楽しませたかどうか。



 仮にね、俳優とか芸人とかが著名な賞を獲ってね、あんなもん話題作りだ売名行為だ、なんて貶す向きもあると思うんです。私は違うと思う。


 有名な人、それだけで、読む人には先入観が入る。だからこそ、楽しませることが出来る。本当に人を楽しませることを考えたらね、『誰が書いたか』ってところまで含めて、ひとつの作品だと思うんですね。そこまで含めての授賞だと考えれば、ちっとも不思議じゃないし、むしろ、文学が人を楽しませるっていう本質をすごく冷静に評価できてるんだと思うんです。『文学は一個の芸術で無ければならない』とかいう独りよがりな考え方から開放されてるんじゃないかと思うんです。



 あとは、いわゆるテンプレってのもありますよね。異世界とかなんとか。あれも、『そういうテーマの物は面白い(自分の好み)のはず』って先入観ありきで楽しませてる(貶す意味じゃないよ!)、そういう面は大きいと思うんですね。最終目標である『読者を楽しませる』っていう大義に対して、最も効果的な戦略です。



 私は残念ながら『テンプレ』を書けません。うん、純粋に無理。ちょっと書きかけたことがあるけど、あれ、難しいよ。ずっと書き続けていればなれるかもしれないけど、SF脳には厳しいです。


 ってことで、先日の活動報告『アシモフになりたい』でも書きましたけど、私は、『月立淳水』というキャラを推していこうと思っています。月立淳水というヤツがどんなやつなのかをたくさん知ってもらって、By Nameでお気に入りにしてもらって、それから、興味を持った人が私の小説を読む。そのくらいの塩梅で行こうかなあ、と。


 もちろん、新人賞とかへの応募も一つの戦略として採用できるとは思うんですよね。少なくとも、どっか、選考結果の片隅にでも名前が載れば、それだけで『キャラ立ち』しますから。


 あとは不遜キャラの定着を目指してるんだけど、無理だった。私すっごい謙虚だもん(コラ)。



 こんなこと書いてるとなんか変な声も聞こえてきそうですけど、いいじゃん、読んだ人が面白いって思うんだったら。


 面白い(と思ってもらえる)もの書きたいだけですもん。



つづく?

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