気楽に書こう
皆さんは何のために小説を書いていますか?
なんていう鬱陶しい問いから書き始めてみますが、今回の話は、要するに、そんなこと考えないで気楽に書こうぜ、って話です。
そりゃね、生業として小説を書かなくちゃならない人にこんな失礼なことは言えませんけど、少なくとも私はアマチュア。『なろう』にいる人もほとんどがアマチュア。だったら気楽に書こうよ、ってこと。
うん、分かります。
『いずれは一発当ててプロになりたい』
『だから、伝えるべき主題、売れる話の作り方、徹底的に研究しておきたい』
野心があるのはいいことです。
でもね。
そこにあんまりこだわってもしょうがないんじゃないかなー、って。
確かに売れるべくして売れる作品ってのはありますけど、そういうのはプロになってから考えればいいんじゃない? ぶっちゃけ、そんなの編集者の仕事ですよ。丸投げしちまえ。売れる話を書けるまで何百回でもボツ食らえばいいんです。やつらはそれでメシ食ってるんです。プロになるなら、もっと与えられた役割に甘えるべきなんです。
だから、単純に創作者としての技量を磨くほうが大切じゃないかな? って思うんです。
書きたい話を好きなように書きまくって。
いろんな表現や展開描写の練習だと思ってさ。
そんなのをいろいろ書いてるうちに、これだと思う自信作ができたら応募でもしてみりゃよくて。
今は情報過多で、『売れる』作品の傾向を分析しやすくなっちゃってます。だから、『流行り』の作品を書きやすい。
それがダメって言うわけじゃないんです。そういう作品を本当に書きたいんなら、実にハッピーなことだと思います。
でも、『こういうのじゃなきゃプロへの道が開けないから』って嫌々書いてるようなら、やめちまえ、って思うんです。
自分の中に『伝えたい何か』があふれてきて、それを文字という形でぶつけるのが小説じゃないですか。なのに、『伝えたい何か』自体を自分が持たず計算づくで作り上げてるようなものって、絶対書いててつまんないですよ。つまんないと思いながら書かれた作品が面白いわけがないですもん。
いろいろ書いて、創作の技量と『伝えたい何か』の引き出しをどんどん増やしていく、そのほうが大切だと思うんです。
もしプロになるなら、いずれにせよ引き出しの数は圧倒的に必要ですよ。編集者に、次はこんな話を書けって言われたり、このイラストから話を創作しろって言われたとき、すっとプロットを書いてみせるためにはとにかく引き出しがたくさん必要ですよ。
それに編集者だって馬鹿じゃないですからね、作品一つだけを読んで『これを本にしたい』って思って声をかけたりしませんって。その作者のほかの作品もざっと目を通して、その作者の技量と引き出しがどれだけ商業の要求に堪えるかってくらいのことは見ますよ、『なろう』からスカウトするなら。
ってことで、『アマチュアなんだから気楽に書こうぜ』ってだけじゃなく、プロを目指すにしても、今は気楽にいろんな『心にあふれる伝えたいこと』を書きなぐるのもいいんじゃないかなー、って。
何が言いたいかって言うと、なんか、『どんな文章や話だったらアクセス稼げるのか』とか『どんな文章や話だったらポイント稼げるのか』なんていちいち考えなくたっていいじゃん、ってこと。そういう趣旨の指南書はもうあふれるほどあって、私も結構目を通してますが、どれもこれもすごく良いこと書いてあるとは思うんですけど、それに沿った小説を書くのって、しんどいよね、って。だったら、こんな風に開き直ってもいいじゃん、って。
この話自体、私の個人的な考えなので、変に真に受けないで好きにしてもらっていいんですけどね。
つづく?




