(こいつ直接脳内に……!)
考えていることを表現するのに、どうしていますか?
っていう話。
割と、出版されている小説でも良く見るのが、普通の丸括弧を使うやり方。
この駄文のタイトルみたいな感じですね。
あとは、この派生ですかね。
角括弧を使ったりダブルクォーテーションを使ったり。
要は、台詞と同じ作法で別の記号を使う、って感じ。
たぶん、ほぼスタンダードな作法だと思います。
が、個人的に、これってあまりやりたくない作法なんです。
特に、丸括弧を使うのは、私の中では禁忌。
丸括弧は、直前の言葉の補足説明とか言い換えへの使用だけにとどめたいところです。
同じ記号に複数の使い方を割り当てる、ってのが、あまり好きじゃないんですね。
と言っても、私自身、二重鍵括弧(『』)は複数の使い方をしていたりしますが。
でも、丸括弧は、小説以外の場所の一般的な使い方として、補遺・言い換え、というかなり広く受け入れられた用法がある以上、考えたことを表す記号としては使いたくないです。
とすれば、他の記号を発明することになりますが、そうすると、そこにはほとんど一般性が無いので、妙な記号を使うとそれはそれで混乱します。読者にその作法に慣れてもらえばいいんでしょうけど、初出時に混乱させるのもやだなあ、と。
<とか{とか[とか【とか《とかいろいろありますが、なんだかどれを使っても、「思考を表す記号」としての定着感が無いですよね。
さて、もう一つ。
そもそもの話として、私は、「思考言語」を直接的に書くのが好きじゃないです。
頭の中ではもちろん言語化されていますが、そもそも思考ってそんなにはっきりしたものじゃないですよね。
それを、確定的に書きたくない、という感覚。
書くとするなら、地の文で、しかも局所的な人称変更をする感じで書きます。
「説明文上こうは書いたんだけど言葉にすればこんな感じってだけで実際には言葉にしにくい思考も混ざってますよ」感を出したいんです。
***
彼はようやく安心した。
これで、彼女の安全は確保された。まあ、僕としては上出来だろう。
そんな風に思いながら視線を上げると、思いもよらぬものが彼の視界に入った。
***
こんなイメージ。
こんな風に感じてるんだけど確定的に、思考がきっちりとこんな言葉を発したわけじゃないんですよ、っていう感じを残したいんです。
思考って本来不定形のものだから。
これを、思考表現記号で囲んで書くと。
***
彼はようやく安心した。
(これで、彼女の安全は確保された。まあ、僕としては上出来だろう)
そんな風に思いながら視線を上げると、思いもよらぬものが彼の視界に入った。
***
なんだか、そのもやもや感というか、ふんわり感というか、あいまいな感じが消えちゃいますよね。句読点一つ一つにも何か意図せぬ意味が入り込んでしまう感じもしちゃう。
なので、できるだけ「思考を言語化したものを確定的に書く」というのは避けたいと思っています。
ということで、私の作法としては思考は記号で囲まず地の文で書いちゃう派です。
あくまで個人の好みの範疇で。
(と断っておかないとあらぬ批判を受けかねませんので)
↑この括弧は補遺の役割です。
つづく?




