月立淳水の執筆法・前編
小説の書き方の話。その一、プロット。
昔、若いころは、頭の中の構想だけでがむしゃらに端っこから文章にしていました。
でも今は記憶力も衰えた大人になってしまったので、真面目にやってます。
まず、低層プロットを作ります。
ぶっちゃけ、とっかかりは最初と最後の二行だけ。
たとえば。
■プロット
主人公、ヒロインに出会う
主人公、ヒロインと別れる
こんな感じです。
これはひどい。
ってことで間を埋めていきます。
■プロット
主人公、ヒロインに出会う
ヒロインの要望に応えて●●に行く
●●で●●に巻き込まれる
主人公の覚醒
●●の裏にはさらに●●が
主人公●●をやっつけに行く
●●の正体発覚
正体はヒロインの父だった
主人公、ヒロインと別れる
こんな感じで間を埋めていって、大体の筋を作ります。途中、一段下げで「正体は~」とか書いてありますが、どうしてもその場で補足したくなったときに、中層プロットの一部が浸出してきます。
で、その中層プロット。これは、低層プロットの各行について、なぜそんなことになって、どういう流れをたどり、その結果どうなるのか、その辺を追記していく作業。
■プロット
主人公、ヒロインに出会う
ヒロインは眉毛が濃い人を探していた
眉毛の手入れをサボっていた主人公
うってつけだしついてこい
最後に、それぞれを出来事レベルに落とします。場合によっては、その場で思いついた会話(掛け合い)まで落とします。
■プロット
主人公、ヒロインに出会う
ヒロインは眉毛が濃い人を探していた
眉毛が薄い人は●●を使えないから(まだ明かさず)
眉毛の濃い主人公に声をかける
何いってんのこの人?
いや、濃いじゃん
眉毛の手入れをサボっていた主人公
手鏡を突きつけられる
うわほんとだ、手入れサボってた
うってつけだしついてこい
しょうがないな
それでどこに行けば?
とにかくついてきて
家に連絡しないと
うっせーだまってついてこい
……こんな感じで埋まっていきます。
なので、最初、三十行程度の低層プロットを作ると、最終プロットは一万文字くらい余裕で超えちゃいます。
結構めんどくさいけど、これやらないと途中で忘れちゃうので。
後はこれを片っ端から書いていくんですが、その前にもうひとつ重要作業があります。
つづく?