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夢を見よう

 夢って、良いですね。


 唐突に何を、と思うかもしれませんが、夢は、便利なんです。


 将来の夢とか、そういうんじゃなくて。


 眠っているときに見る、あの夢。



 あまりエキサイティングな展開の乏しい前半とか、退屈だなあ、と思われてしまいそうなとき。


 いくつか、それを回避する手段を使わなくちゃならないわけです。


 設定そのものや、舞台説明そのものがとても良い導入と退屈しのぎの役割をしてくれる場合もありますが、あまりそうはなりません。


 特に私のSFの場合は。


 あまりに突飛な世界は出てこないからです。


 あくまで、現代社会の延長上にちょっとした科学的な飛躍を付け足す。


 というのが私のポリシーなので。


 たとえば、魔法が科学的に証明された完全異世界ものだったりすると、その機構の説明だけで結構わくわくするものですが、私の場合はそういうのがあまりないんですね。


 退屈な主人公の周りの状況説明が多くなりがち。



 たとえば、恋愛要素を先に持ってくる、というのも一つの手ですね。


 でも恋愛経験がさほど豊富とも言えない私には、これも結構厳しい手段になります(笑)。



 そこで、夢、です。


 主人公に夢を見させる。


 その世界で、話の最後にしかたどり着けないような大変動だとかそういうのを、主人公に夢として見させる。


 もちろん、ネタバレとかをするわけではなくて、この世界ならこのくらいのことが起こっちゃうんだぞ、という、世界の力を見せつけるためのものだったり。


 あるいは、主人公がヒーローになってばったばったと悪者を薙ぎ払っている、そんなところを夢に見させてもいいかもしれません。


 夢の中でなら何でもあり、ですから。



 で、夢から覚めて退屈な日常が始まっても、読者は、え、あの夢で出てきたあれは、一体何? という疑問を持っていてくれるはず。


 そこで、日常生活を通して世界の説明をしてみせると、ははあ、そんな世界なら、確かにそんなことも起こるかもなあ、なんて思ってくれるかもしれない。


 世界の仕組みを受け入れてもらうための、「平凡」側からのアクセスの対極として、「極端」側からのアクセスとして、夢を機能させちゃうわけです。



 たとえば。


 主人公は平凡な高校生。


 その高校生が学校帰りに空を見上げると、星間シャトルが飛び交っている。


 そう、星間航行が発明されて千年後の世界なのだ。


 ……って感じだと、あ、そうなんだ、へえ、で終わっちゃう。


 だけど、その主人公の夢として、いきなり、宇宙戦争、宇宙戦艦、惑星をも破壊する超兵器、なんてものを見せてやると。


 あ、星間航行の発明とともに、宇宙にはいろんな国ができて宇宙戦争をお互いにしているような世界なんだな、という別の面を見せることができるじゃないですか。


 加えて、やっぱり、宇宙戦争、なんて話が出てくると、ちょっと興奮するわけじゃないですか。


 その様子を夢として描いてあげると、この話の中で、いつこんな胸躍る展開が出てくるんだろう、と期待してもらえるじゃないですか。



 主人公が、最初からチートキャラとかなら良いんですけどね。


 やっぱり感情移入を狙う的な意味で、平凡キャラからスタートすることも多くて。


 なので、どうしても世界の仕組みを説明するときには、平凡側からアクセスせざるを得ない。


 そこで、極端側からのアクセス手段として、夢を使っちゃおう、そういうわけです。



 別にこれがいつも上手くいく、ってことは無いとは思いますが、あくまで一つの手段として、こんなものも時には使ってもいいかもね、っていうことで。


 夢オチだけにはしたくないですけどね(笑)。


つづく?

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