語尾いじり
語尾をいじくることでキャラクターを立たせる的な。
あ、またキャラクターの話ですが。
語尾をちょっといじくって特徴的なキャラクターを書くのって、楽です。
なんというか、最初にそう決めちゃうのだけは楽です。
でも、物語の中でそれを首尾一貫するのは、ものすごく大変です。
たとえば、コミカルな語尾を特徴付けられたキャラクター。
それが、シリアスなシーンでしゃべるとき、どうしますかって話です。
本人はどんなつもりでその語尾を使っているのか?
単なる口癖にしても、さすがにこの場では空気を読むんじゃないの?
なんていうくらい重いシーンでさえもその語尾にこだわるんだとすると、これはもう、本当にすごい力量の描写力が無いと、キャラクターが浮くだけでは済まず、物語自体が白けてしまいます。
語尾いじりは作者いじりのネタにもなることがあるようですが、少なくとも、語尾でキャラ立ちさせることができる作者って、たぶんベースの力量はめちゃくちゃ高いはずです。
語尾いじりをしくじって消えていった作家は山のようにいるはず。
会話シーンで誰がしゃべったかの判別が楽そうだから、なんていう軽い気持ちで手を出しちゃいけません。
かく言う私も、もちろん、何度かはしくじってます。
昔のボツ作品で。
最近は、もうほんと、ふつーのしゃべり方のキャラクターばかりですね。
相手ごとにどんな風にしゃべり方を変えるか? というくらいしか判別ポイントが無いです。
せいぜい、ちょっと語尾を伸ばす風のしゃべり方、とか、堅苦しい体言止めを多用する、とか、そんなくらいしか語尾の特徴は使わないです。
やっぱり難しいですもん。
語尾というか、呼び方や丁寧語の使い方で、相手との距離感をかもし出す、みたいなこともよく挑戦しますが、なかなか上手くいかないですね。
お互いに敵と知っているけど仲間を装っている間は丁寧語だけど、敵同士とさらけ出したらタメ口になったりとか。
役職名呼びが「さん」呼びになったりとか。
やってみてもあまり効果が分からないですね。
でも、まあ趣味の範囲でやるわけですけど。
自分だけが知ってるちょっとした距離感の変化、みたいなのを、作者的に楽しむ意味で。
ってことで、語尾いじりは大変ですよという話でした。
つづく?