魅力あるキャラクター
たぶん語る人が語れば何十篇もエッセイを書けちゃうだろうネタが、キャラクターの作り方。
こればっかりはセオリーが無いですよねえ。
魅力的なキャラクターを書ける方法が分かってるんなら誰だってやりますって。
今まで、昔の活動期も含めて二十以上の作品を書き、登場人物はおそらく百以上を創作してきただろう私ですが、魅力的だな、と思えるキャラクターを書けたことはただの一度もありません。
何が悪いのかもよく分からない。
それでも、他人の小説や漫画を読んで、魅力的だなあ、と感じるキャラクターは確かにいるんですよね。
たぶん、基本的に話の筋ありきの設計しかしてないからだと思います。
誰がやっても論理的に同じ方向に転がっちゃう舞台がそろっていればキャラクターは何でもいいし。
あるいはキャラクターに特定の性向を求める話の筋だと、その最低限のオリエンテーションだけを与えてそれ以外のキャラクター設定には凝らないですし。
SFとは何か? というテーマでも書きましたが、私は、SFで人間の反応を書きたいんですね。
つまり、ごくありきたりな人間がどんな風に反応していくのか、ってことに興味があるんです。
とがったキャラクターは必要ない。
んですね、私の話では。
でも、やっぱり魅力あるキャラクターを書きたい。
と思って、割ととがったキャラクター設定をしてみることもあります。
うわあこいつえげつないなあ、というくらいにひどい敵キャラを考えてみちゃったりすることも。
でも、そこに肉付けをしていく過程で、どうにも丸いキャラクターになっていっちゃうんですね。
やっぱり、人間ってそんなにひどいことできるもんじゃないよ。
的な、私の中の無意味な良心が邪魔をするみたいです。
かといって、ぶっ飛んだ「良い人」も書けない。
自分の利益を度外視して良いことばかりできる人なんてそうそういるもんじゃないよ。
なんていう無意味な常識が邪魔をするみたいです。
どっちにしろとがったキャラクターを書けないので、そこから先に進めません。
とがっていれば魅力的かといえばそうでもないんでしょうけど、まずこの「丸くなっちゃう」っていうからを破れないと、私のキャラクター創作は次のステップに進めなさそうです。
それを置いておいても魅力的なキャラクターって何だろう、ってことになると。
ぶっちゃけ、「何考えてるかよくわかんない」タイプのキャラクターに、魅力を感じることが多いですね、私の場合。
要するに、理解できないキャラクター。
理解の枠を易々と破ってくれるキャラクター。
そういうのは、魅力的ですね。
考え方を理解できる人って、共感はできますが、新しく学ぶものが無いわけです。
全く理解できない人って、呆れたりいらついたりなんてことはありますが、そこから学ぶことはそれ以上に多い。
私は基本的に生きている限り新しいことを学び続けたいと思っているので。
そういうキャラクターには無条件に魅力を感じてしまうようです。
ってことは、私の脳内から出るキャラクターである限り、私にとって魅力的になることはありえないってことなのかなあ。
それはそれでちょっと残念。
いつか、私が作ったキャラクターが私の想像もつかない行動をとるようになって欲しいものです。
つづく?