ネタだし元
ネタは妄想。
まあそれが一番元手がかからなくていいんですけど、やっぱりそれだけじゃアイデアが枯渇します。
他人の小説とか漫画とかでインスピレーションを得ることもありますが、他人の作品を楽しんでいるときはあまり自分の創作のことは考えてないです。
どっちかと言うと、ニュースとか、そっち系が多いですね、ネタ元は。
やっぱりSFという分野なので、テクノロジー関係のニュースとかは、良いネタ元になります。
それでも、テレビとか新聞のニュースってかなりマイルドで、あまり刺激が無いんですね、科学的に。
そんなわけで、実は私にとって一番強力なネタ元は、「日経サイエンス」です。
SCIENTIFIC AMERICANの日本語版。
割とハードな科学ネタを扱っている科学雑誌です。
変な特集とかやってる回よりも、その月の科学的成果を普通に紹介している回が良いですね。
実際の研究者が書いている文章か、研究者監修で科学専門のライターが書いている文章なので、科学的に正しい記述が多いのが魅力。
新しい研究結果とか出てると、妄想がはかどります。
もしこの方向の研究がまっすぐ進んじゃったらこんなことができちゃったりして。
みたいな感じで。
もちろん逆に、科学の限界が正しく見えちゃうという面もあります。
よくSFで出てくる小道具を見ていても、「どんなに科学が進んでも、それは原理的にできないと思うよ」と思うことがよくあります。
なので、そういう夢のある装置を書けなくなっちゃうという弊害もあり。
私がしょっちゅう心で突っ込みを入れちゃうのは、エネルギー収支と熱効率。
要するに、熱力学の第一、第二則。
どう考えてもそれはエネルギー収支が合わないよ、とか、十分な排熱無しでその操作はできないでしょ、とか、そういうアレです。
まあその辺は、大学での専攻でもあったのでついつい計算しちゃうところもあるんですが。
逆に、脳科学とかは知れば知るほど分からなくなりますね。
と言うか、生命科学、タンパク質は不思議の宝庫ですね。
なんでDNAなんていうシンプルな仕組みからあんな立体構造が出来ちゃうの?
それが寸分たがわず複製されて、しかも、あらかじめ決まった場所にきっちり配置されて、さらに大きな立体構造を作って、気がついたら、脳みたいなすさまじい複雑さを持った器官になっちゃってる。
この辺、未解明の部分が多いので、逆に妄想が入り込む隙間がとても大きいです。
ちょっと購読料は高めですが、SF書きの皆さんにおすすめ。日経サイエンス。
つづく?