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恋愛しちゃう?

 私が小説を書こうって時に、避けて通るのが難しい一つの選択があります。


 それは。


 恋愛要素を入れるかどうか?


 SFって、たとえば、仕掛けへの感心と回答への驚愕だけを与えたいのであれば、恋愛要素ってあまり必要ないですよね。


 なので、基本的に入れないのが私のポリシー。


 と言いたいところなんですが、私の書くSFのほとんどは恋愛要素を含んでしまいます。


 やっぱり根本には「人間の反応を書きたい」ってのがあって。


 人間の根っこのところ、行動原理の一番底には、繁殖、生殖、つまり、恋愛ってのがあるじゃないですか。


 やっぱり、どこかでその要素が絡んできちゃうんですよね。


 ぶっちゃけ、恋愛を入れると、キャラクター書くのが楽だし。


 じゃあ、誰を誰に惚れさせるか?


 基本的に、主人公とヒロイン、ってことになります。


 ハーレムモノなら、サブヒロインがいっぱい出てきて一人残らず主人公に惚れる、ってことになりますが。


 それって、書くのが難しいんですよね、かえって。


 サブヒロインの数だけ主人公に惚れるトリガーとモチベーションを持たせなきゃならないから。


 めんどい。


 薄っぺらいモチベーションだと、キャラクターが死んじゃうし。


 ってことで、私の作品中では、たいていは一組しかそんな関係はできないようにしてます。


 作中でカップルが成立したかどうかも書かないことの方が多いです。


 どこかに呼び出して愛の告白をしてOKかNGかの返事をもらって。


 って、いくらお話の中だからって、ちょっと現実味が無くて、そういうシーンを書く気になれないんですよね。


 お見合いパーティやってんじゃないんだから。


 いつの間にかいつも一緒にいるようになってて。


 気がついたら手なんて繋いでて。


 もしかして自分たちって好き合ってる?


 そんな風にお互いが確信して、いつの間にか恋愛って成立してることの方が多いじゃないですか。


 基本、SFなので。


 その長ったらしいプロセスを書くのがめんどい。


 ので。


 お話が終わった後にきっとどうにかなってるよ、たぶんね。


 みたいな感じで放り投げることの方が多いです。





 さて、執筆戦略的に、恋愛要素を入れるかどうか。


 話そのもので、あまりハラハラする部分が少なくて、割と淡々と進んで最後にカタルシスだけがある。


 そんなお話の場合は、あえて入れる場合が多いですね。


 恋愛要素を入れると、ちょっとだけドキドキします。


 本筋で退屈させている間に、そのちょっとのドキドキで補う、的な。


 ある作品、恋愛要素ゼロで構想してたんですが。


 書き終わったら中だるみが激しすぎて。


 キャラクターを一人性転換させて、主人公とちょっとだけお互いが気になる存在にしてみて。


 そのおかげで話の大筋まで舵を切ることになって。


 (と言っても本質部分は変えてないですけど)


 実はそのためにタイトルまで変えてしまった、そんな作品があります。


 これは、まあ話自体は相変わらずつまらないですが、恋愛要素を入れたことは成功だったと思っています。


 とにかくね、主人公のモチベーションがものすごく強力になるんです。


 うすぼんやりとした正義とかそういうものより、一人の女性を助けたいという気持ちにすり替えることで、すごく地に足の着いた話に変身してくれました。


 恋愛を入れると、こんな良いことがあります。


 入れないほうがいい場合?


 あんまり思い浮かばないですが、恋愛入れると、話の尺が無駄に伸びますよね。


 短編書くぞ、と決めたときは、入れないことにしています。


 短編で恋愛要素入れると、その気持ちの出所とかの描写が不足して、気持ちが薄っぺらく見えちゃうんですよね。


 それがまた主人公のモチベーションの一部になっていたりすると悲惨。


 なんでこんな女のために命かけてんの?


 みたいなお話になっちゃう。


 大昔に書いた小説で、まさにそんなことになっちゃったやつがあったりします。


 ってことで、恋愛要素のご利用は計画的に。


つづく?


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