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捨てられた令嬢の華麗なる復讐  作者: カルラ


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第11章:永遠の誓い

エリノア・ヴァンセルは、ルミエール公国の王宮で最も輝かしい朝を迎えていた。深淵の王との最終対決を乗り越え、ヴィンセント・ルグラン王子と共に国を救った日から数週間が経ち、ついに二人の結婚式の日が訪れた。王都アルテシアは祝福ムードに包まれ、街路には花飾りが並び、魔法の光が夜空を彩っていた。民衆は「知恵と勇気の令嬢」と「黄金の王子」の結びつきを心から喜び、長い試練の末に訪れた平和を祝っていた。


結婚式の準備

王宮の大広間は、結婚式のために豪華に飾り立てられていた。魔法の結晶が埋め込まれたシャンデリアが輝き、大理石の床には花びらが敷き詰められていた。祭壇には、ルミエール王家の象徴である黄金の紋章が掲げられ、その周囲を青と白の花が囲んでいた。エリノアは自室で、クラリスに手伝われながら花嫁衣裳に袖を通していた。


ドレスは純白のシルクで作られ、裾には魔法の糸で刺繍された星々が輝いていた。胸元は控えめながらも気品あるデザインで、エリノアの細身の体型を美しく引き立てていた。彼女は鏡を見ながら、少し緊張した声で呟いた。


「クラリス、私、こんな素敵なドレスを着ていいのかしら? 殿下にふさわしいかしら……。」


クラリスは目を潤ませ、エリノアの手を握った。


「エリノア様、あなたがそんなこと言うなんて! 殿下だって、民衆だって、あなたが王妃になるのを心待ちにしてますよ。私だって、こんな幸せな日を見られて嬉しいんですから!」


エリノアはクラリスの言葉に笑顔を取り戻し、頷いた。


「ありがとう、クラリス。あなたがいてくれるから、私も頑張れたのよ。」


一方、ヴィンセントは別の部屋で正装に身を包んでいた。深紅のマントに金の刺繍が施された王子らしい衣装で、黄金色の髪が燭台の光に映えていた。彼は鏡の前で剣を手にし、少し照れくさそうに呟いた。


「エリノアと結婚するなんて、まだ夢みたいだな……。」


側近の騎士団長、ギデオン・ストラウスが笑いながら肩を叩いた。


「殿下、エリノア様と試練を乗り越えたんです。今日がその報われる日ですよ。」


ヴィンセントは頷き、決意を新たにした。


式の始まり

正午が近づくと、王宮の大広間に貴族たちや民衆の代表が集まった。魔法の楽団が奏でる優雅な音楽が響き、会場は期待に満ちていた。扉が開き、エリノアがクラリスに付き添われて入場した瞬間、ざわめきが起こった。彼女の銀髪が光を反射し、青灰色の瞳が穏やかに輝いていた。貴族たちはその美しさに息を呑み、民衆は「未来の王妃」と囁き合った。


ヴィンセントは祭壇で彼女を待っており、エリノアが近づくと手を差し出した。


「エリノア、君が美しいなんて言葉じゃ足りないよ。僕の王妃にふさわしい。」


エリノアは頬を染め、彼の手を取った。


「殿下、私もあなたとこうやって立てるなんて、夢のようです。」


二人が祭壇に並ぶと、司祭である老魔術師、マルセル・デュランが前に進み出た。彼は杖を掲げ、厳かに宣言した。


「ルミエールの民よ、今日、我が国の王子ヴィンセント・ルグランと、エリノア・ヴァンセルが永遠の誓いを交わす。この結びつきは、王国の未来を照らす光とならん。」


誓いの言葉

ヴィンセントが先に誓いの言葉を述べた。


「エリノア、君と出会ってから、僕の人生は変わった。君の知恵と勇気が、僕を、そしてルミエールを救ってくれた。どんな試練があっても、君と一緒に乗り越えてきた。これからも、君を愛し、守り、共に国を導くことを誓うよ。」


彼の声は力強く、会場全体に響き渡った。民衆が感動の涙を流し、貴族たちが拍手を送った。


次に、エリノアが言葉を紡いだ。


「殿下、私にはかつて、自分に価値がないと思っていた時がありました。でも、あなたが私を必要だと言ってくれて、私を見つけてくれた。私はあなたを愛し、あなたと共にルミエールを支えることを誓います。どんな未来が待っていても、あなたと一緒なら幸せです。」


彼女の声は優しく、だが確かな意志に満ちていた。ヴィンセントは目を潤ませ、彼女の手を強く握った。


マルセルが杖を振り、魔法の光が二人を包んだ。光の中で、二つの指輪が浮かび上がり、それぞれの指にはめられた。指輪には王家の紋章と星の意匠が刻まれ、永遠の絆を象徴していた。


祝福の魔法

式のクライマックスとして、マルセルが最後の魔法を唱えた。


「ルミエールの二つの月に誓い、この結びつきを祝福せよ!」


魔法陣が大広間の天井に広がり、そこから花びらと光の粒子が降り注いだ。会場全体が幻想的な輝きに包まれ、民衆は歓声を上げた。エリノアとヴィンセントは互いを見つめ、自然と唇を重ねた。最初のキスに、会場は拍手と祝福の声で沸き立った。


クラリスは涙を拭いながら、公爵レオナルド・グランヴィルに囁いた。


「エリノア様、本当に幸せそうですね。こんな日が来るなんて……。」


レオナルドは頷き、穏やかに答えた。


「彼女はルミエールの宝だ。王子と共に、この国を導いてくれるだろう。」


祝宴と民衆との交流

式の後、大広間では盛大な祝宴が開かれた。魔法の料理が並び、楽団が陽気な曲を奏で、貴族や民衆が共に踊った。エリノアとヴィンセントは、手を取り合って最初のダンスを披露した。彼女のドレスが舞い、彼のマントが翻り、二人の姿はまるで絵画のようだった。


祝宴の途中、二人は王宮のバルコニーに出て、民衆に姿を見せた。ヴィンセントが声を上げた。


「ルミエールの民よ、今日からエリノアは僕の王妃だ。彼女と共に、この国を平和で豊かな未来へと導くことを約束する!」


民衆が「ヴィンセント様! エリノア様!」と叫び、花火が夜空に打ち上げられた。魔法の光が花火に混じり、星々が舞うような光景を作り出した。エリノアはヴィンセントの腕に寄り添い、幸せそうに微笑んだ。


二人の約束

祝宴が終わり、二人は庭園で静かな時間を過ごした。二つの月が穏やかに輝き、風が花の香りを運んでいた。ヴィンセントがエリノアの手を取り、囁いた。


「エリノア、君とこうやって結ばれて、本当に幸せだよ。これからも、ずっとそばにいてくれるね?」


エリノアは彼の胸に顔を寄せ、答えた。


「はい、殿下。私もあなたと一緒にいられて幸せです。ルミエールの未来を、ずっと守っていきましょう。」


ヴィンセントは彼女を抱き寄せ、優しくキスを贈った。


過去の影の終焉

ローランド・デュモントの名は、もはや誰の記憶にも残っていなかった。エリノアを嘲り、彼女を捨てた男は、自らの愚かさの果てに破滅し、歴史から消え去った。一方、エリノアは王妃として新たな人生を歩み始め、過去の傷は完全に癒えていた。


王宮の窓から見える二つの月は、祝福の光を放っていた。エリノアとヴィンセントの結婚式は、ルミエールに新たな希望をもたらし、二人は永遠の誓いを胸に未来へと踏み出した。








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