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頭脳派のウチらが異世界でシール交換とかマジでウケんだけど!  作者: もちふぐ


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1/1

1話 シール交換とかウケんだけど

「あ!ひかるん〜!おは〜〜」


ギャル友達のしおりんが綺麗な金髪を(なび)かせて走ってきた。朝から相変わらず元気である。


「おはよ〜。何そのぬいぐるみ新作?」

「え、新作。てか今日の3限だるすぎてがちでむりなんだけどサボろうかな」

「それな〜。え、サボって2丁目のカフェいかね?」

「あり」


ひかるとしおりは幼稚園からのマブダチで、2人は勉強が得意だったので県内トップの中学、高校に一緒に進学した。大学も同じ国立大学を志望し2人とも合格。キラキラ大学1年生を謳歌する日々である。


「てかさひかるん次髪色何にすんの?」

「えー悩ましいな〜そろそろ寒色やりたいけど」

「寒色ってソッコー落ちるのだるい」

「がち寒色の粒子サイズでかすぎんだよな」

「文句言うとこそこかよ」

「やべ授業始まるじゃん、2限終わったら門のとこ集合で」

「おけ〜」


__


「おつ〜」

「うい〜」

「てかあのカフェ行くの久々じゃね」

「知らぬ間に潰れてたらがちウケる」

「それな」


いや、言うてウケないけど。

大学に入学してすぐの頃は、2丁目のカフェをたまり場にしてよく駄弁っていた。

真面目な大学ゆえにギャルは少なく、2人は常に浮いていた。2丁目のカフェは、人間関係に疲れた2人の心を癒す大事な場所だった。


カフェに向かう道中、地面に光るものを発見し立ち止まる。


「え待って!シール落ちてんだけどw」

「えウケる。最近のシールってこんなに立体感あんの」

「シール交換とか懐かしすぎて横転」

「がちウケる。久々にやりたいかも」

「え買いに行く?最近のシール調査おもろそう」

「あり。絶対うちらの時代より進化してる」


2人は今日はカフェを諦め、地元の文具店に向かった。


「てかここ来んの受験以来じゃん」

「それな。おっちゃん元気かな」

「あ、おっちゃんおひさ〜!シールある〜?」

「いらっしゃい、久しぶりだねえ。シールは今はこの2種類しかないけど、最近向かいにできた店は専門店らしいねえ」

「えがち?知らなかったんだけど」

「後で行ってみたらどうだい?うちは、品揃えがあまりないからねえ」


おっちゃんはめちゃくちゃいい人だが、おばさんが亡くなってから以前の元気を失ってしまった。

ウチらが小さい時からあるこの文具店も、おっちゃんの後を継ぐ人は見つかっていない。


「んーじゃあとりあえずこの2種類買うよ。1枚いくら?」

「1枚139円だよ。」

「うぇーい素数じゃん最高。じゃあ2人分で4枚買うから556円」

「139って素数の中で一番3で割れそうな顔してる」

「まいど。気をつけてねえ」

「おっちゃんありがと!また来るね〜」


好奇心は人一倍強い2人だった。だから勉強が苦痛じゃなかった。

2人は店を出て、迷うことなくシール専門店とやらを見に行った。

__


「えーがちじゃん、こんな店初めて見た」

「地元がどんどん変わってく〜」


外装はあまり派手ではなく、新しくオープンしたシール専門店なのに人気(ひとけ)がない。

それどころか、なんだか廃墟を上から塗装して無理やり綺麗に見せてるような感じで気味が悪い。

例えるなら、そうだな、異世界にでも行けそうな?


「ちわー」

「いらっしゃいませ」

「え、黄金比〜」

「褒めてるように聞こえなくて草」


店員のお姉さんが美人すぎて声に出た。ツヤツヤの黒髪ロングストレートに一切のズレがない整った顔。

芸能人みたいだ。


「本日はこちらの異世界シールが入荷しております。」

「ウケる」

「当店では金銭取引は行わず、シールは交換という形になっています。」


はえ〜、なるほどなあ。シール交換の仲介業者?ってことか。

ビジネスでやってんじゃないなら何でやってんだかよくわかんないけど。趣味?


「え、ひかるんどうする?さっきのおっちゃんのシールあるけど」

「おもろいから交換しとく?一旦」

「あり」

「じゃあこの青い方2枚で」

「かしこまりました。異世界シールと交換ですね。別室に案内しますので、こちらにお願いします」


シール交換で別室って何?大袈裟すぎるだろ。

お姉さんが美人すぎるのも含めて全部ネタだったらおもろい。

いやまじで。笑い転げる自信ある。


「お掛けください」

「では。3・2・1」


「え?」


__


眩しくて目を閉じた。恐る恐る目を開けたら、知らない街の芝生の上にいてテンションが上がった。


「え待ってキモすぎんだけど!」

「ガチ異世界来ててウケるwww」

「えぐすぎんだけどがちでw 異世界シールやばいww」

「がちアインシュタイン案件ww」


わろてる場合ではない。一般相対性理論にも限界あるって。

が、予想的中でウケる。いや、妄想的中?

『シールの国』的なとこに飛ばされたわけ?


「まあ一旦生きてみるしかない」

「それはそう」

「で帰る方法探すしかない」

「ほんまにそう」

「えどうやって?」

「え、地元シールと交換?」

「それやん」

「草」


おけ、『地元シール』探しの旅、もとい、キラキラ大学生奪還の旅、出発〜。

生きて帰るくらいなんてことないよね、うちら2人いればさ。

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