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第25話 見逃す者

 どこまでも続く蒼天を仰ぎながらマレージョの魔力を感知する。倒したのかそうでないのかわからないが、少なくともヴェルフェゴールの脅威は去ったことにルシアは安堵した。


 賑やかな声がして目を向ける。そこには自分たちが確実に成長しているという実感を噛み締めるイズとシンクの姿があった。


「よっしゃー! 俺のメガトン勇者パンチがばっちししっかり決まったぜ! ヴェルフェゴールの奴マジでびっくりしてたもんな! やっぱ俺ってすげー!」


「おう! イズ! お前マジ最高だぜ! ヴェルフェゴールぶっ飛ばすとかお前じゃなきゃできねーって!」


「そういうシンクも最高のアシストだったぜ! さすが俺の親友だって思ったぜ!」


「おおよ! それとなイズ! お前がいないときに実は俺、魔術使ったんだぜ! レテルの魔術真似ただけだったんだけどさ! それ普通は真似できないすげー魔術だったらしいんだよ! ルシアがビックリし過ぎて固まっちまうくれーに! やっぱ俺って超天才じゃね!?」


「マジかよ!? 超天才じゃん! じゃあこれから魔術いっぱい覚えて超天才魔術師勇者になるってこと!? マジかっけー!」


「だろだろ!? よーし! それなら俺たちの勇者冒険譚の始まりを祝して何か景気の良いことやろうぜ!?」


「お! シンク、ナイスアイディア! それじゃあ輪になって踊るのはどうだ?」


「輪になって踊るとかダサい気もするけど……まあ俺たちらしくていいかもな!」


「よっしゃ! それじゃあ決定な! ――というわけでエリウェルも混ざってな?」


「え!? わ、私も!?」


 イズとシンクの喜びに付き合わされるエリウェルは二人に手をつながれた。そして妙な掛け声とともにリズムを取りながら輪になって踊り始める。


 最初は動揺していたエリウェルだったが、慣れてきたのか年相応に無邪気な笑顔ではしゃぎ始めた。引っ込み思案な性格だったエリウェルも二人に感化されてしっかりと感情を出すようになったようだ。


 そんな子供たちの微笑ましい光景に胸を熱くしながら、ルシアは冷え切った関係の大人たちへと目線を向ける。


 口も交わさずレテルとアリティエはにらみ合っている。喧嘩した、などと生易しいものではない。二人は敵対関係にあるのだから。


 アクソロティ協会への謀反を起こすために活動しているレテルにとってアレンの従順な犬と化しているアリティエとは出会いたくなかったはずだ。


 一方、アリティエはアクソロティ協会への謀反を企てるレテルの証拠集めをしている。その証拠集めの最中に首謀者と出くわしてしまったのだから困りものだ。


 二人は互いにボロを出したくない。そうなれば必然的に言葉を交わさなくなる。喋らなければ情報は洩れないのだから。


 そしてルシアはこの問題の渦中にいる。どちらの立場でもあると言えるし、そうでないとも言える。


「なんだなんだ? 喧嘩中か? 二人とも」


 レテルとアリティエの間にイズが割って入ってきた。続けてシンクとエリウェルがレテル側に並び立つ。


「何があったのかわからねーけど。喧嘩なら俺はレテルにつくぜ? ルシアをいじることはあっても、虐めることはしないだろうしな」


「あらあら。いい子ね、シンク」


「ちょ!? 俺の頭を撫でるな!」


 レテルに頭を撫でられて動揺するシンク。もちろん何があったのかわかっているシンクはレテル側につくだろう。ファイーナの件を含め、アリティエにつく理由などない。


 そしてルシアも脅されているだけでアリティエにつくメリットはない。人質に取られている娘の命が危ういというデメリットがあるだけだ。


 一方、レテルにつくとアクソロティ協会と戦う必要はあるが、うまくやればルシアの悩み全てが解決する。娘を救い出し、アレン・ローズ政権が終わり、暴力と恐怖で支配する時代が終わる。


 さらに話の進め方次第ではファイーナとの共闘も望め、マレージョ問題も解決できる。


 かなり険しい道のりではあるが、世界中で仲間を募ってしっかりと準備を進めれば高望みとも思えない。ハイリスク以上にハイリターンがある。


 そう考えればどちらにつくべきかは明白だ。なんなら今ここでアリティエを始末してしまえば不都合な情報がアクソロティ協会に渡らず、最高の形でレテル側につくことが――と考えたところでルシアは恐ろしく残酷な妄想を振り払った。


 今の妄想はルシアが最も嫌いで許せない行為だ。そんな妄想をしてしまった自分に嫌気がさす。とはいえ、その妄想を抜きにしてもアリティエをなんとかしないとレテルにつくことはできない。


 一番いいのはアリティエをこちら側に引き込むことだ。けれど出世を目的するアリティエをどうやって説得したらいいかわからない。アクソロティ協会のことを嫌っていること自体は一緒のようだが、一体どうやって。


 そう頭を悩ませているとイズが驚きの声を上げた。


「あ!? そういえばアリティエ! さっき勇者冒険譚で戦ってなかったか?」


「勇者冒険譚? それって何……ああ。赤い本のことか。イズくんには少し難しい話だけど、私、毎回術式組んだり演算したりするの面倒で嫌いでね。だから音声認識で魔術が起動するよう実際の本に術式を組み込んで魔術道具を創ったの。本を使ったのは読書が趣味だからだけど……確か勇者冒険譚ってタイトルだったかも。若い頃にはまったシリーズ物の本があって、その一冊を魔術書にしたんだよ」


「え!? あの本、シリーズ物だったの!? でも勇者が魔王倒して終わったけど?」


「ってことはイズくん読んだの最終巻だよ。ネタバレは避けるけど事情があって勇者は世界中を冒険し直して、仲間を集めて魔王を倒すの」


「な、なんだとー!! 俺が読んでたの最終巻だったのかー!! ――頼むアリティエ! 俺に全巻貸してくれー!」


 さきほどの緊張感ある空気はどこへやら。イズが話に入って来ると良い意味で場が混乱する。凍り付いていたレテルとアリティエの表情も今では柔らかいものとなっている。


「残念だけど全巻は貸せないかな。一冊は魔術書に使っちゃったし。最終巻は……」


 突然、アリティエが口を閉ざし、表情が曇り始めた。そのことに疑問を感じたらしいイズは首を傾げる。


「最終巻は?」


「最終巻は……赤ん坊にあげたんだった。いつかこの本の主人公みたいに立派な勇者になってって……想いを込めて……」


「ふーん。でもなんで最初の巻じゃないんだ? それか全巻プレゼントすればよかったじゃん。もしかして魔術書に使っちゃったの?」


「急いでて一冊しか贈れなかったの……。それに最初の巻は……悲しい結末だったから……」


「そうなんだ。――ってネタバレじゃん!? 言うなよ!」


「あ、ごめん」


 セカンドチルドレンは産まれてすぐ魔術師適性検査を受け、才能があれば三歳で強制的にチャイルドヘイブンへと送られ、才能がなければ親が情を抱かぬうちに処分する。


 チャイルドヘイブンはその教育の厳しさから死者が後を絶たず、仮に教育課程を修了しても命の保証ができない過酷な世界に身を投げ出される。


 我が子にはそんな道を歩ませたくないと辺境の地に孤児として預ける者たちもいた。けれど発覚を免れて親子ともに無事だった例は一度も見たことはない。


 見たことはなかった。今までは。どうやったってアクソロティ協会の目から隠し通すことはできないからだ。


 けれど妊娠や出産を隠し通して、魔術師適性検査を受けるまでの間に辺境の地へと我が子を預けることができれば。きっと多くの人の協力は必要だが不可能ではない。


 現に、ルシアの目の前にはその方法を成功させた二人の親がいる。多分、我が子に魔術の才能があると気づきチャイルドヘイブン行きを拒んだ親と我が子に魔術の才能がないと気づき処分されることを拒んだ親。


 それとルシアには今日わかったことがある。


 親が最も得意とした魔術は子供に遺伝する。子供はその魔術を理解せずとも使いこなすことができる。そしてラミアーヌの雫を所持していると親から遺伝した魔術を隠匿できるようだ。


 ラミアーヌの雫を外したはずのシンクの魔術が感知できなかったのは、ラミアーヌの雫を所持しているルシアにくっついていたからだ。


 イズがヴェルフェゴールを殴り飛ばせたのは親から遺伝した魔術を発動していたからだ。けれどラミアーヌの雫を所持していたからそれに気づけなかった。


 直接答えを聞くまで正解かはわからない。けれどこれだけの状況証拠があれば誰だってそう考える。


 ――アリティエの息子はイズ、レテルの息子はシンクだ。


 知ってしまった衝撃の事実にめまいがした。東方の三賢者として一緒に名を馳せたレテルとアリティエ。その二人の子供と知らずに今まで旅をしていたのだから。


 その驚愕の事実と同時にルシアは理解した。何故、アリティエが旧友や同僚を裏切り、嫌いであろうアクソロティ協会に忠誠を誓うのか。それは間違いなく息子のためだ。


 おそらくアリティエは息子にアクソロティ協会とはなるべく遠いところで安全に楽しく生きて欲しかったのだろう。アクソロティ協会から距離を置き、世界中を旅する聖天大魔導士なんてそういない。偶然そんな人間がいたら。しかも知り合いだったらなおのこと息子を任せられる。


 それなのに息子を任せた相手は目的の一つであるラミアーヌの雫を手に入れてしまい、アクソロティ協会と敵対するレテル側につこうとしていた。息子を手放すかもしれない、息子を危険な世界に連れて行くかもしれない。そう、アリティエは危惧したのだろう。


 だからレテルの話や娘の話をして自分の味方に引き込もうとした。


 正直まだアリティエがどんな計画でイズを守ろうとしていたのかわからない。けれど何故アリティエがルシアに接近してきたのかはこれで説明がつく。


 アリティエは昔から周りに助けてと言えず、悩み苦しみながら一人で物事を解決するような子供だった。


 レテルといい、アリティエといい、昔から素直じゃない学友たちに思わず笑みが零れたルシアはシンクの元へと近づいた。


「シンク。さっき貰ったこれだけど……預かっててくれない?」


 そう言ってルシアはラミアーヌの雫をシンクの首にかけた。


「お、おい。ルシア。せっかくあげたんだから娘のために使えよな」


「使うわよ。でも娘ここにはいないし。だからそれまで預かってて」


「それはいいけどさ。ルシアはもう俺たちの面倒見る必要ないんだぜ? ファイーナの件なら問題ないし、俺たちのことなんか放っておいて急いで娘探せばいいじゃん。俺たちのペースに合わせてたら娘に会えるの何年もかかるぞ?」


「あら? シンク。そんなに私と離れたいの? 私はまだまだあんたたちと旅をするつもりだったんだけどなー」


「そうじゃねえけど。でも……」


 シンクは本当に真面目な子だ。聡明なシンクならイズとの二人旅はまだ危険だと認識している。それでも離れようとするのはこれ以上ルシアの重荷になりたくないからだろう。早く娘の元に行かせてあげたいという優しさからだろう。


「ルシアの娘探しながら冒険続ければいいじゃん。どうせ俺たち自由気ままに冒険してるだけだし。レベル上げしないと魔王倒せないってわかったしな。ルシアにレベル上げ手伝ってもらおうぜ?」


 そういってイズは笑い声を上げた。イズは本当にいつもタイミングがいい。そして欲しい言葉を言ってくれる。


「そうそう。イズの言う通りよ。――まあ、それでも嫌ってことならシンクはレテルに預けてイズと二人で冒険しようかしら?」


「えー! 俺とルシアの冒険!? おばさんと二人で冒険とかカッコ悪いじゃん! ――なあシンクー? 三人で一緒に冒険しようぜ……って俺のこめかみをげんこつでグリグリするな!」


「おばさんじゃないって何度言ったらわかるのかしらー? 本当にイズってば可愛いんだからー」


「おいルシアー! 俺が可愛いならお仕置きやめろー!」


 イズを脇に挟み、拳でこめかみを押し付けているとシンクの笑い声が聴こえた。


「あっはっはっは! イズがそんなに言うならしょうがねーな! そんじゃあ引き続き三人で冒険続けようぜ!」


「よし! それじゃあ決定ね!」


 シンクの言質も取った。後はアリティエだけだ。そう思ったルシアは表情を曇らせるアリティエに目を向けた。


「というわけでアリティエ。私たち三人で旅を続けるわ。――それと私はアリティエにはつけない。レテルと一緒にアクソロティ協会潰すって決めたから」


「ちょっとルシア!? あなた何言ってるの!」


 思ってもみなかったであろう暴露にレテルは声を上げた。そんなレテルに笑みを向ける。


「大丈夫よ。アリティエは私たちを全力で見逃してくれるもの」


「私、そんなこと一言も言ってない」


 振り向くとアリティエが睨みつけていた。怒りの程は理解している。だからこそルシアは絶対に説得すると決めた。


「そのとおりね。そんなこと一言も言ってない。――でもイズが言ってたでしょ? 助けてって言えないなら全力で見逃せって」


「私は助けて欲しいなんて思ってない! もういいかげんにして! そんなに娘の命がどうでもいいなら今すぐアクソロティ協会に戻って――」


「――アリティエ! 私を見なさい!」


 大きな声を出されたせいかアリティエは少し驚いた様子を見せた。けれど気後れしてはならないと思ったのかアリティエは顔をこわばらせて身構える。


「私を見なさい、アリティエ」


「見てるわ、ずっと」


「いいえ見てない。あなたは私じゃなくアクソロティ協会とアレン様のことばかり見てる。私のことも、レテルのことも、自分が本当にやりたいことも見てない。見れるはずなのに見ようとしない」


「そんなことない。私は見てる。ずっと。だから一人で悩んで苦しんでるんだ」


「そうやって悩んで苦しんで。あなたの夢は叶いそう? 叶った先であなたは幸せになれそう?」


「夢が絶対に叶うなんて保証はどこにもないし、夢が叶えば私の幸せなんていらない」


「そう。やっぱりあなた見てないわ、私のこと」


「さっきから何を言ってるのかさっぱりわからない! それに先生みたいな説教をするのはもうやめて!」


 アリティエの怒り。それは葛藤だ。現実と理想のはざまで悩み、心が揺れ続けている。心が揺れて葛藤する原因。それが見えているはずなのに見ようとしていない。そしてそれに気づいていない。伝えなければきっと気づかないままだ。


 そのことを言葉にしようとしたとき、イズがアリティエの前に立った。


「友達を見ろ、アリティエ」


 ここから先はイズが引き継いでくれる。そう思ったルシアはほほ笑みながら言葉を譲った。


「とも……だち……?」


「ああ。友達。ルシアとアリティエが喋ってたとき、学友って言ってたろ? あれって昔からの友達ってことだろ?」


「うん。そうだね……」


「俺、アクソロティ協会とかみんなの関係とかよくわからないけどさ。でも友達のことはよくわかるぜ? 一緒に笑って、一緒に楽しんで、一緒に怒って、一緒に悲しんで。そんでたまには一緒に泣いて。そんなことを共有するのが友達だろ?」


「そう……かもね」


「そっか。それならアリティエもわかるんじゃないのか? 魔術師の学校はすごく辛いみたいだけど。でも友達がいたから頑張って来れたこといっぱいあるんじゃないか? 昔は辛かったけど今思い出したら友達と過ごした日々って凄く輝いてたんじゃないか? そういう時間を一緒に過ごして乗り越えた友達との絆って強いんじゃないか? だから悪者の顔じゃなくて、大切な友達の顔を見たほうがいいんじゃないか?」


「でも……」


「大丈夫。大丈夫だ。悪者じゃなくて友達を信じろ。友達を疑うな。悪者を疑え。アリティエは悪者のアクソロティ協会じゃなく、友達のルシアとレテルを信じろ。絶対になんとかなる!」


「この世界に絶対なんて……ないんだよ……」


「アリティエ。絶対はある。絶対は勇気の言葉だ。絶対のないこの世界を歩き続けるための勇気の言葉なんだ。――きっとアリティエは一人で頑張り続けて歩くの疲れちゃったかもしれないな。それなら、あんまり頑張らなくていいから、負けるな。逃げてもいいから絶対に負けるな、自分の運命から」


 イズは白い歯を見せて満面の笑みを浮かべた。


 もうルシアが何か付け足すような言葉はない。イズに全部言われてしまった。これ以上何か話すのは野暮というものだ。


 何も言い返せないのかアリティエは口を閉ざしたままイズを見つめる。何を考えているのかわからないが、放心したような、疲れたような、諦めたような。そんな顔でずっとイズを見つめている。その間、イズは満面の笑みを絶やさない。


「イズくん。きみは本当に生意気だね」


 頬を緩めたアリティエは突然背中を向けて歩き始めた。


「ちょっとアリティエ!」


 ルシアが呼び止めるとアリティエは止まり、横顔を見せた。


「今日のところは全力で見逃してあげる。だからもう喋りはおしまい」


 そう言って再び歩き出すアリティエの背中にルシアは声をかける。


「ありがとう、アリティエ。またいつでも遊びにいらっしゃいな。少なくとも私とイズは大歓迎だから。――ね、イズ?」


「おう! いつでも遊びに来いよ! あと来るときはお土産持ってきてなー!」


 イズが手を振るとアリティエは再び立ち止まり、振り返った。アリティエの目線はルシアに向いている。


「私、今チャイルドヘイブンで教員も任されてるの。そこでルシアの娘……ミウちゃんに会ったわ」


 胸がざわついた。聞きたいことは沢山ある。けれどルシアは余計なことは聞かないと決め、代わりに一つだけ絶対に確認しておくべきことを問いかけることにした。


「そう。私の娘……ミウは元気?」


 するとアリティエは優しく微笑んだ。


「元気だよ。子供の頃のあなたに似て知的で可愛い女の子に育ってるわ」


「当たり前よ。だって私の娘だもの」


 アリティエはくすくすと笑い、体から透明なオーラを放出させた。瞬間移動で飛空艇に戻るのだろう。そう思った矢先、レテルが口を開いた。


「アリティエ。私からも一ついいかしら?」


「なに?」


「さっきヴェルフェゴールが言っていたことで気になることがあるの。あなたが参戦したときヴェルフェゴールは「聞いてた話が違う」って言ってたわ。あれってどういう意味かしら?」


 少し悩んだ様子だったが、アリティエはすぐに答えた。


「私もよく知らない……けど。どうやらアレン様はハルマトランかオルティアナ。どちらかの勢力と内通しているみたい」


「内通ねえ。なんか私たちの脅威になりそうで嫌な情報だけど……まあ普通に考えてヴェルフェゴールはハルマトラン派閥なんだし、ハルマトランと通じているのかしらね?」


「さあね。私はレテル派閥じゃないからどうでもいい。――それじゃあ」


 そう答えるとアリティエは瞬間移動をして、姿を消した。

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