約束変更?!
前々から約束していた旅行。ある程度時間が自由になって自分で稼ぐことが出来るようになったら、二人で旅行に行こうと亜紀は僕に言っていた。まぁ、大学生になったのだしアルバイトをすれば旅行代は稼げるし親もそこまでうるさく言わないだろうから僕は何も考えずに了解と答えた。ただ、実際にどこへ行くのか、いつ行くのか、となると僕はいつも話をそらしていた。
「とりあえずごまかそうとして返事してるでしょ?もう何度も約束してるのに全然実行しようとしてないし。」
いい加減我慢できないといった感じで亜紀は僕にこう言った。
「というわけで、今回なんと宿を取ってしまいました。言っても近くだし、1泊だからあまりのんびり出来ないけどね。もちろん、和室に布団が二組並びますからね。」
どうやら亜紀はすでに旅行会社に連絡をして、近場ながら温泉旅館の予約を取ったらしい。最近やけに旅行雑誌を見ていると思ったらこうきたか。
「いきなり言われても、僕だって一応予定があるんですけど?」
僕はなんとかその旅行を回避しようとしたが
「7月25日から26日って確かアルバイトもないし、もちろん大学も夏休みよね?だって、25日は私と会う約束したでしょ?
やられた。その日はちょっとおしゃれな店に行きたいと言うことでアルバイトを入れなかったのだ。まさか、食事のデートの約束がいつの間にかこんな約束になるとは僕も思わなかった。
「どこへ行くの?あまり遠いと移動にばかり時間とられるし、何も出来ない気がするけど??」
「それは当日のお楽しみね。ただ、あまり遠くじゃないことは確かよ?いろいろ探索しましょうね」
亜紀はとても楽しそうにそういった。
約束の日まであと2週間。僕は喜んでいいのかわからないままその日を待つしかないみたいだ。