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第95話 レベル300

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

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 第95話 レベル300

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 今日もダンジョンに入ってアイテムを探し歩いている。どの層にあるかさえ分からないため、一層から虱潰しの探索をしている。

 まったく見つかる気がしない。

 一年探して駄目なら、二年でも三年でも探し続けるさ。

 だが、俺が十七歳になると、元クラスメイトたちが召喚される。それを考えると、できるだけ早く発見したいところだ。


「トーマ、ボケーッとしてんじゃないぞ!」

「そうよ、戦闘中なんだから!」

「あ、うん。ごめん」


 ライトニングトーマボウを引き放つ。

 雷の矢がモンスターに命中すると、感電して動きを止めた。


「おらっ!」


 炎を纏ったモーニングスターが、モンスターの顔面を捉えた。ベンが覚えているスキル・炎撃だ。

 炎がモンスターに燃え移り、広がってモンスターを焼いた。モンスターが焦げる臭いはあまり気分のいいものではない。


「光の大神ライトルイド様に祈りを捧げます。ライトアロー・レイン!」


 光りの矢が雨のように降り注ぎ、モンスターを貫いていく。穴だらけになったモンスターのその巨体が揺らぎ倒れる。


「一丁あがり!」

「相変わらずキマイラは強いわね」


【レベルがあがりました】


 とうとうレベルが三百になったぞ!


【スキル・変換のレベルがあがりました】


 よっしゃーっ!

 これまでの経験上、スキル・変換のレベルが上がると思っていたけど、上ってよかったー!


 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =

【個体名】 トーマ・バルド・ロックスフォール

【種 族】 半神デミゴッド(ヒューマン・神族)

【情 報】 男 11歳 クルディア王国侯爵 健康

【称 号】 創生神デウロの使徒

【ランク】 G

【属 性】 神

【加 護】 変換の神

【レベル】 300

【スキル】 変換・レベル7

【ライフ】 142,475

【スタミナ】 143,285 (-30,745)

【マ ナ】 145,560

 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =


【変換・レベル7 : 周辺の地形を把握し、その情報を変換する】


 これはマッピング……ではないな。これは周辺の地形を把握するのだから、『地形把握』というほうがベターだと思う。

 とりあえず、やってみるか。


「うっ!?」

「どうしたっ!?」

「モンスターなのっ!?」

「「「トーマ様!?」」」


 脳内に膨大な情報が流入し、激しい頭痛を引き起こした。範囲指定なしにやったのがいけなかったようだ。


「おい、どうしたんだよ?」

「毒に侵されたの?」

「新しい力を得たから、使ったら頭痛がしただけだ。もう大丈夫」

「いきなり膝をつくから驚いたぞ」

「そうよ。やるときは言ってからにしてね」

「すまない」

「念のために回復しておくわ。光の大神ライトルイド様に祈りを捧げます。ライトヒール」


 ライトヒールのおかげで、頭の中がスッキリした。

 シャーミーに感謝の言葉を述べ、今度は半径十メートルに絞ってもう一度発動させる。


 半径十メートルの地形、それとそこにいる人が3Dマップになって脳内に展開した。

 地形は天井がなく、壁が仕切りのようになっている。昔見たテレビゲームの画面に似ている。やったことはないが。

 視点の角度を変えることもできるため、真上からも真横からも真下からも見ることができる。

 現在は、周囲に俺たち三人とシュザンナ隊長率いる神殿騎士三人の、六人しかいない。他にはモンスターも何もいない。


 範囲を徐々に広げていくと、百三十メートル辺りで軽い頭痛がした。今は百メートルほどの範囲に絞っておくほうがいいようだ。


 せっかくなので、この地形把握を使ってアイテム探しをすることにした。

 歩きながら地形把握を発動するのはなかなか難しい。そこで五十メートルくらい歩いたら発動して地形把握するという方法をとった。


 これまでの探索で全二十五層を隅から隅まで調べ、マップも作ってある。それにそって二十五層を調べていく。

 二十五層はとても広いが、なんとか調べ尽くした。ここにはアイテムはないようだ。


 二十四層に移り、階段のそばで野営をすることにした。

 異空間倉庫からテーブルや椅子、テント代わりのコンテナなどを出していく。

 コンテナは重厚な金属製で、中は二つの部屋に分かれていて、八人分のベッドも設置してある。男女別ってことですね。


 異空間倉庫には三十トン以上のものが入っている。コンテナのような大きなものを収納することができるのだから、便利なものだ。


「では、いつものように私たちが交代で見張りをしますので、トーマ様がたはゆっくりお休みください」

「いつもありがとうございます」

「いえ、私たちは戦闘をしておりませんので、見張りくらいはさせていただければと思っております」


 俺は二日学園に通い、四日の休みのうち二日から三日をダンジョン探索に費やしている。

 シュザンナ隊長たちは俺たちがダンジョンに入らない日もダンジョンに入って、レベルを上げている。いつ休んでいるのだろうか? 無理をしてなければいいのだけど。


 テーブルの上に六人分の……ベンは二人分を出して、食事を摂る。出来たてをすぐに収納しているので熱々のままだ。


 食事をしながら地形把握を使っていたら、誰かが近づいてきた。

 二十四層や二十五層は広いということもあるけど、最深層だから探索者に出遭うのは滅多にないことだ。珍しい。


「誰か近づいてきますね」

「警戒します」


 神殿騎士は三人が交代で食事を摂り、常に二人が警戒している。

 食事の途中だったシュザンナ隊長が、立ち上がって警戒モードに入った。


 四人の姿が肉眼に映った。重厚な金属鎧が二人、ローブが二人だ。


「そんなに警戒しないでくれ」


 こちらを視認した四人の中から一人がそんなことを言う。


「俺たちは二十五層へ降りる前に休憩したい。こっちを使わせてもらうぜ」


 階段口を挟んで左右に陣取る形になる。

 しばらく警戒していたシュザンナ隊長が、警戒を二人に任せて食事に戻った。


 俺たち全員が食事を終えると、食器などを異空間倉庫に収納してコンテナの中に入っていく。その際にシュザンナ隊長を呼んで一緒に入る。


「いつでも対応できるようにお願いします」

「あの者らに何か怪しい素振りがありましたでしょうか?」

「あいつら、元々は六人だったのに、俺たちから見えないところで二人が姿を消しました。それにあいつらカトリアス派の覇天です」

「っ!? 分かりました。隙を見て制圧するように動きます」

「俺もやってやるぜ!」

「トーマ、あの人たちのレベルなど詳しい情報をちょうだい」

「そうだな、あいつらは―――」


 やってきたのは六人組だ。そしてあいつらの称号には間違いなくカトリアス派と覇天の文字がある。

 レベルは二百三十から二百五十で、姿を消している二人が二百六十と二百六十五。シュザンナ隊長たちと互角のレベルだ。

 ランクは姿を消している二人がCとB、そこで休んでいる四人がCになる。



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
覇天とわかってるし、またず休憩している四人を先制攻撃でランク下げて倒すほうがいいと思う いつものように余裕かまして攻撃してくるまで待ちの姿勢で舐めプしてると仲間が怪我したり亡くなったりしそうでつらい
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