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第74話 変換の可能性

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

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 第74話 変換の可能性

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 武術大会と魔法大会の開催日になった。

 慣例に従って、武術大会と魔法大会を毎日交代で行うことになる。

 今日は開催式と武術大会の一次予選が行われる。俺は魔法大会に出場することになっている。


 学年主任の挨拶が終わると、次は騎士科の首席教師からの注意事項を聞いた。

 なんで教師の話はこんなに長いのだろうかと思うよ。


「―――それでは、一次予選を始める。第一試合の出場者は闘技場に」


 進行役の騎士科の先生が審判をする。審判を挟んで平民と下級貴族の生徒が向かい合った。

 予選は三次まであり、ここでも貴族の爵位で差が出る。

 一次予選は平民と下級貴族、二次予選は一次予選を勝ち上がった生徒と中級貴族、そして三次予選は二次予選を勝ち上がった生徒と上級貴族になる。

 ただし、これは一年生の話で、二年生になると一年生の時の成績によってシードされるらしい。


 一次予選は武術大会も魔法大会も二日が予定されている。二次予選も二日、三次予選は一日、本戦は二日になっている。結構な長丁場の大会になっている。


 あと、一次と二次予選には時間制限がある。砂時計(およそ十分)が落ちきったら終了で、優劣が明確でないと両者敗退になる。

 この《《優劣が明確》》が曲者だ。平民が多少優勢に見えても、貴族のほうが予選を通過することが多いのだ。

 だから、平民はしっかり結果を残さないと、予選を勝ち上がれないということになる。

 学園内は爵位なんて関係ないなんて誰も思っていない。平民が勝ち残りたいのであれば、死ぬ気で努力しないと難しいのだ。

 両者失格や明らかに忖度された判定が行われた試合を見るのは面白くないから、早々に帰ることにした。


 俺は魔法大会の三次予選が初戦になるから、それまでは屋敷で自分の時間を過ごすことにした。





 最近思うのだけど、俺って変換を使い切れているのだろうか、と。

 現在のステータスはこうなっている。


 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =

【個体名】 トーマ・バルド・ロックスフォール

【種 族】 半神デミゴッド(ヒューマン・神族)

【情 報】 男 11歳 クルディア王国侯爵 健康

【称 号】 創生神デウロの使徒

【ランク】 G

【属 性】 神

【加 護】 変換の神

【レベル】 275

【スキル】 変換・レベル6

【ライフ】 105,860

【スタミナ】 106,543 (-2,550)

【マ ナ】 108,413

 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =


 レベル二百五十の時に変換のレベルが六になり、レベル二百六十九でマナ値が十万を超えた。


【変換・レベル6 : 空間を変換し、別の空間を倉庫(異空間倉庫)として使用できる】


 変換・レベル六では、アイテムボックスとかストレージのような使い方ができるようになった。

 ただし、時間経過は普通だし、生きたものは異空間倉庫に入れることはできない。

 あと、容量はスタミナに依存するようで、()のマイナス数値は収納してあるものの重量キログラムと同じ数値になっている。ようは今の俺なら百トンちょっとの重量が収納が可能というわけだ。


 まずレベル一の能力【変換・レベル1 : 物質を別の物質に変換できる】は、レベルが百五十になったところで、貴金属や宝石の変換が可能になった。

 生き物は変換できないが、生物でなければ大概のものが変換可能だと思う。


 以前は馬王を直接変換することはできなかった。これをやってみたら、できるようになっていた。

 他のアッフェルポップや薬膳酒三種も問題なく直接変換が可能だった。

 酒に関してはアシュード領の名産になっているので、俺が直接変換することはないけど、いい気づきになった。


 また、集光ランプも直接変換が可能になっている。


 ダンジョン探索でいつも使っている装備が目に入った。

 世の中には魔道具というものがある。その魔道具を俺も作れないだろうか。


 血抜き用に持っていく短剣を手に取ってみる。これに特別な効果をつけられないだろうか。


「特別な効果というと……やっぱり斬れ味上昇だな」


 侯爵の俺が使うものだから、それなりに高価な短剣だ。名工と言われる人の工房で造られた短剣だと聞いている。

 これを魔剣と言われるものにできたら、面白い。


 他に用意したのは、中級魔石とダイヤモンド。

 魔石はなんとなくだけど、使ったら魔剣になりやすいかなといった感じで用意した。

 ダイヤモンドは強度を上げられないかと思ってだ。


 ―――変換!


 そこそこのマナが減った。見た目は変って……ちょっと光ってる?

 形は変わらないけど、柔らかな光を放っているようだ。


 ・解体剣 : デウロの使徒トーマが作った解体用の短剣 どんなモンスターでも簡単に解体でき、解体後の素材の質が上昇する


「………」


 いいものが出来たと思う。今度解体をして使い心地を確認しないとな。

 あと、『解体剣』がほのかに光っている。もう少し光量が強ければ、懐中電灯の代わりになるのに。ではなく! 光っているとまたベンやシャーミーに何か言われそうだ……。


 ・上質な鋼鉄の短剣一振りと中級魔石一個とダイヤモンド(一カラット)一個を解体剣に変換 : 消費マナ二千ポイント


 他の装備も変換で色々試してみた。

 防具と剣はミスリル製だったので、短剣よりもいいものになってしまったのは愛嬌ということで。


 ・トーマアーマー : デウロの使徒トーマが作ったトーマ専用装備 物理ダメージと魔法ダメージを九割軽減する 精神攻撃や呪いなどを無効化する 重厚な見た目に反し重量はほとんど感じず、動きや視界を阻害しない


 ヘッドギアや胸当などの防具を一括で変換したら、全身鎧フルメイルアーマーになってしまった。

 これは解体剣以上に光っているんですけど……。


 ・トーマソード : デウロの使徒トーマが作ったトーマ専用装備 大きさと形状はトーマの意志によって自在に変化 圧倒的な斬れ味を誇る


 ・ライトニングトーマボウ : デウロの使徒トーマが作ったトーマ専用装備 マナを消費していかづちの矢を生成する 放った矢は必ず命中する 矢を受けたものは、超高電圧の雷によって焼き尽くされる


「えーっと……やり過ぎたか?」


 いや、これは俺が欲した力だ!

 この装備があれば、ダンジョン探索もかなり楽になるはずだ。


 しかし、元々白銀色で派手な装備だったが、今度は全部白金色でさらに派手になってしまった。


「あ、しまった……魔法大会に使えないだろ、これ」


 さすがに学生相手に使えない装備になってしまったので、別の装備を用意することにした。

 もちろん、この装備は自重したものにした。

 素材にしたのは、ロックスフォール侯爵家の騎士たちが使う鎧、剣、弓だ。


 ・自重アーマー : 軽くて動きを阻害しないフルメタルアーマー 任意で毎分十ポイントのマナを消費し、防御結界を展開する


 ・自重ソード : 使用者にとって丁度いい重さの剣 マナを五十ポイント消費し、斬撃を飛ばす 斬撃に触れた者は必ず気絶するが、ダメージは受けない


 ・自重の弓 : マナを五十ポイント消費し、雷の矢を射る 雷の矢に触れた者は必ず麻痺するが、ダメージは受けない


 これ……自重したのか? 自重したんだよね? 自重した! そういうことにしておいてほしい! それに光ってないのがいい!


 あと、ネーミングセンスが……。いくら自重と念じていたとしてもねぇ。



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
 変換・レベル六で「ストレージに生き物も入る、但し生きていられない」とか有ったら面白そう……あっ、やべぇ。最凶暗殺兵器になっちまう!
名前もイメージが大切と言うことか。
自重シリーズ防具笑
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