表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/122

第52話 トーマIIの本編の前に

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

 ■■■■■■■■■■

 第52話 トーマIIの本編の前に

 ■■■■■■■■■■


 これまでのあらすじ―――。


 生きたまま転生召喚に巻き込まれたトーマは、自称神の神使三体に暗黒空間に閉じ込められてしまった。


『名を奪われ、忘れ去られた者』によって暗黒空間から助け出され転生することになったトーマ。

 後に『名を奪われ、忘れ去られた者』が本当の神デウロだと知ることになる。


 転生したトーマはデウロに感謝しつつ、契約に従ってレベルを上げていく。

 また、不遇から自分と母親を助け出してくれた義父に感謝するのだった。


 そして、母親が奴隷ではなく、実は誘拐された公爵令嬢だったのである。


 デウロ様への感謝の気持ちと、領内の発展を合わせて酒を造るトーマだが、神殿から派遣されてきたダルデール枢機卿が称号の『デウロの使徒』を確認したことで神の遣い認定されるのだった。





 現状―――。


 俺はトーマ・ロックスフォール、今年で十歳になった。

 母はアリューシャ・アシュード・ロックスフォール、二十七歳。

 義父はロブ・アシュード・ロックスフォール騎士爵、三十三歳。

 弟はジークヴァルト・アシュード・ロックスフォール、三歳。


 母の名は本当はヘルミーナで、バイエルライン公爵家の令嬢だった。

 だけど、母は十三歳の時に誘拐され、その時に記憶を失い、奴隷として俺を産んだ。今でも記憶は戻ってない。


 貴族には戸籍がある。最近知ったことだけど、俺はロックスフォール家の養嗣子になっていた。

 この国の養嗣子とは、家督を継ぐ養子という意味になる。

 だけど、義父ロブと血の繋がりのない俺が家を継ぐのはいけない。だから家を継ぐのは弟のジークヴァルトだと考えている。


 ロックスフォール家が治めるアシュード領の人口は、俺が養子になった頃は千人もいなかったが、今ではおよそ五千人になっている。

 四年で人口が五倍になったのは、産業とダンジョン、そしてバイエルライン公爵家の支援のおかげだろう。

 それに湊によって物流が盛んになったことも要因の一つだと思う。

 人口は今も増え続けており、あと二、三年もすれば一万人を超えると予想される。それほど急速に拡張を続けているのだ。


 産業としてはチーズ、酒、集光ランプ、そして野生モンスターの素材とダンジョンモンスターの素材がある。


 酒造りは二棟の酒工房で多くの酒を造っている。

 まずロックスフォール家の顔とも言うべき馬王。この酒は俺が初めて造った酒になる。

 月産二百二十五樽(一斗樽・十八リットル)になっている。


 次はアッフェルポップ。こちらは仕込みの季節が晩冬から初夏で、製造に三カ月かかる。

 総生産量は一万九千二百瓶(七百五十ミリリットル瓶)になる。

 アッフェルポップは神殿に二割の優先販売を行っているが、残りの八割のほとんどを商人から神殿が購入していく。

 アッフェルポップは神の酒と、神殿が宣伝している。


 最後に薬膳酒。薬膳酒は三種類あって、長命酒ちょうめいしゅ冷破酒れいはしゅ活丹酒かつたんしゅになる。

 これはロックスフォール家が生産しているが、販売はバイエルライン公爵家に委託している。

 仕込みはアッフェルポップと被らないように秋から初冬に行っている。

 材料の薬が高額で仕入れられる量も多くないため、超高額酒になってしまうのは仕方がないかな。


 どの酒も今では俺の手を離れて、ジンさん、ラムさんをはじめとした職人たちの手で生産が行われている。


 集光ランプも売れている。これは国中に販路があるのだけど、その窓口が神殿になっているのだ。

 神殿は真っ先に集光ランプを導入しており、その縁で販売窓口をしてもらうことになった。

 アシュード領の神殿に常駐しているダルデール卿(枢機卿)がやりてのお婆ちゃんなんだよね。


 あと、ボーマンさんの鍛冶工房が巨大なものになっている。

 鍛冶職人が二十人以上になっており、村の鍛冶師もちゃんとしつつ、集光ランプの生産拠点として毎日多くを生産している。

 集光ランプの核の部分の生産も俺の手を離れ、ボーマンさんのところで作っている。


 最後に、現在のアシュード・ダンジョンは、十五層まで探索が進んだ。十五層をくまなく探索したけど、次の層への階段はなかったので最深部だったようだ。

 ダンジョンにはボスがいると聞いたことがあるが、アシュード・ダンジョンにはいなかった。

 とは言え十五層ともなると、現れるモンスターは相当強い。おかげで俺たちのレベルも上がった。


 十五層の探索は、探索者のコズミさんのグループと、領軍、そして俺のグループが探索している。

 結構いい稼ぎになるのだが、俺にとって重要なのはレベル上げだ。


 コズミさんは、今年で三十五歳になる。

 そろそろ引退を考えているというので、うちの領軍に勧誘した。

 そしたら、コズミさんとその仲間の四人が領軍に入ることを了承してくれた。

 なんでも、五人とも嫁さんをアシュード領でもらったから、他のところで住むよりここで働きたいと思っていたらしく、渡りに船だったらしい。


 お父様がコズミさんらにお嫁さんを世話していた理由が分かったよ……。


 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =

【個体名】 トーマ・ロックスフォール

【種 族】 半神デミゴッド(ヒューマン・神族)

【情 報】 男 10歳 健康

【称 号】 創生神デウロの使徒

【ランク】 G

【属 性】 神

【加 護】 変換の神

【レベル】 199

【スキル】 変換・レベル4

【ライフ】 33,097

【スタミナ】 33,433

【マ ナ】 34,325

 = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ = ・ =



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


気に入った! もっと読みたい! と思いましたら評価してください。

『ブックマーク』『いいね』『評価』『レビュー』をよろしくです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
変換スキルで受精卵いじったら、半神むりでもレッサー半神とかいけるんかな?いや、もしかして石を変換して石の仮面造れば、人間をやめるぞ名作にも、、、
あと1レベル、か
お父様って清廉で人格者な騎士爵だけど、端々にやり手なところが見え隠れしますよね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ