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第31話 贈り物と返礼品(一)

 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

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 第31話 贈り物と返礼品(一)

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 ▽▽▽ Side ロブ・アシュード・ロックスフォール騎士爵 ▽▽▽


 アシュード領を出て北へと進む。季節は春になったが、風は身を切るほど冷たく寒い。

 我が領を流れるライバー川は複数の支流と合流し、川幅を広げていく。

 我が領から船でライバー川を下ることもできるが、これまでのうちは船を持つことはできなかった。年に何回使うかも分からない船は不要だったのだ。

 最近の当家は馬王のおかげでうちは豊かになった。馬王の売り上げは工房を建てた初期費用の数十倍に達している。販売を初めてほぼ半年であるが、これほどの売り上げになるとは思ってもいなかった。

「やはり、トーマは神の遣いなのだろうな。ライトスター侯爵がこのことを知ったら、どう思うのだろうな」

 あの家は貴族として末期なのかもしれない。領民から搾取しまくるだけでなく、寄子や立場の弱い貴族からも奪う。

 シュツルム・ペルニーアが何度も俺のところにやってきては、ダンジョンや馬王の権利を寄こせと言ってきた。いい加減鬱陶しくなって、最後にはぶっ飛ばしそうになった。まあ、殺気を放ったら腰を抜かしておったがな。ハハハ。

 昨年の冬に俺と共に複数の貴族がライトスターと縁を切り、バイエルライン公爵家に身を寄せた。

 ライトスターは王国中に恥を晒したことになる。そして我らはライトスターの恨みを買った。タダでは済まないのは分かっているが、ライトスターが軽々に手を出せるものでもない。そんなことをすれば、バイエルライン公爵家を敵に回すことになる。

 爵位としては当然ながらバイエルライン公爵家のほうが上だ。しかも公爵家は王家の一族だ。バイエルライン公爵はもちろん、その一族には王位継承権がある。そんな家に属する俺たちに手を出したら、それこそ大きな戦になりかねない。

「だが……ライトスターは腐っているからな……」

 こちらが考えるようなことは無視し、手を出してくる可能性はある。それほどに末期症状だと、俺は警戒はしているところだ。

 それはそうと、そろそろ船を造ってもいいかもしれぬな。バイエルライン公爵家のアクセル領も王都もライバー川で繋がっている。それを考えると、やはり船はあってもいい。


 旅は順調に三日目の午後にはリッテンハイム男爵の屋敷に入った。リッテンハイム男爵は俺と共にライトスターと手を切った貴族の一人だ。俺たちは共に前ライトスター侯爵の子を養子に迎えている。

 今のところうちはトーマのことで口を出されていないが、リッテンハイム男爵が養女にしたタリア嬢の婚約についてライトスターが口を出してきたと聞いている。

 その相手が今にも墓場に入りそうな老齢の商人だというのだから、リッテンハイム男爵が怒るのも無理はない。

 これは明らかに商人の財を当てにしたもので、タリア嬢を思ってのことではないのは、誰の目にも明らかだ。

 しかし、養女に出した子の婚約者を勝手に決めようというのだから、開いた口が塞がらないわ。

 もちろん、リッテンハイム男爵はその話を蹴った。他人とは言わないが、今のタリア嬢はリッテンハイム男爵の庇護下にあるのだ、口出しするのは越権行為というものだ。

 リッテンハイム男爵の屋敷から、バイエルライン公爵家までは半日の日程だ。

 それにライトスター家のバルド領は、ライバー川を挟んでいる。ここまでくれば襲撃の危険度はぐんと下がる。



ご愛読ありがとうございます。

これからも本作品をよろしくお願いします。


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なんか登場する貴族の名前が銀英伝と被ってるなあリスペクトかな? あと執事の名前が又セバスだよ、Web発の作家さん達はオリジナリティって言葉を親の腹の中に置いてきたのかな?
[良い点] ライトスターのジジイが「公爵令嬢の誘拐・監禁既遂罪」で王都にて公開処刑されるまでは気を抜いてはいけない
[一言] 油断してはならぬぞ 奴らが処罰されるまでは
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