20才年下と出逢う
3章
娘の彼氏の親の反対を受けて、どうして反対なのかを聞くとまず、娘の歯並びが悪いのは私が子供の時に矯正をさせなかったから。娘は高校を中退をして恥ずかしいから。娘が息子をたぶらかした。一緒になっても一緒の墓には入れない。
娘が全部を敵に回しても私は娘の味方だ。親一人子一人で人生を闘った戦友だ。世界で1番愛している。
彼氏も親の言動に腹をたて2人で結婚届けを出し強行突破に出た。
さて、私のマッチングアプリの話に戻そう。
マッチングアプリを3年間辞めたり入ったりしながら
ダラダラとして、やっぱりこの年になって好きな人なんて出来ないと思った。ひとり寂しく老後を過ごすんだなぁと感じていた。そんな時32歳の男性からいいねが来た。いつもならスルーするとこだったが、子育てが終わりぽっかり心に穴が空いた穴が自分でも思った以上に大きかったのだろう。お話くらいならしようかな、どうせすぐ連絡なくなるし…と軽い気持ちで、マッチングした。メールを続けていると加代子さん、電話したいです。と言われたので軽くいいですよ。と返事した。1回で終わるしフェードアウトされるでしょう。夜になって電話が掛かってきた。電話をとり話した瞬間、ハッとさせられた。私の中で眠っていた物が呼び覚まされような感じと何故か懐かしい気持ちでいっぱいになった。今まで生きてきて初めてこんな気持ちになった。何故だろう?イケボというわけでもないのに…電話が終わる前に「加代子さん、俺を男として見て下さい」と言ってきたのだった。彼は、顔もタイプだし、性格もヤンチャっぽいところもツンデレなところも私のドストライクな人だった。
彼の名前は寛樹。寛樹は俺達付き合おうと言ってきた。20歳も年下なのは、若い!若過ぎる!!
でもかわいい!可愛すぎる!!
こんな私でもちょっとは楽しくてもいいよね!
私は寛樹と付き合う事にした。
この歳になって若い男性から女性扱いされるのは嬉し過ぎる!楽し過ぎる!!
そんなやり取りをしている中、俺お金に困ってると言ってきた。話を聞くと20代の時サラリーマンをしながら夜の店を友達と経営していてその友達がお金ごと持って飛んだと言う。借金を他の友達数人に借りていたのだけれど早く返せと催促がひどいということだった。
やっぱりお金目的だったんだ!神様はほんの少ししか喜びを与えてはくれない。もう終わりなんだ!まぁ考えてみたら当たり前だよね。私は別れると言った。
彼もわかったと言った。
数日たった日。彼から電話があった。電話に出ると
助けて…と泣いていた。人にお金を貸す時はやったと思って貸しなさいと祖母に教わった。私は、寛樹に
50万渡した。もう好きになってしまってて頭ではダメだと思っていても無理だった。もう返ってこないだろうと思いながら渡した。
彼はサラリーマンを辞めて農家で働き始めた。
今年の夏はとても暑く36°〜40°まで毎日あった。
LINEで真っ黒になって働く姿をいつも送ってくれた。
そんな彼からあと50万貸してくれと言われた。
そしたら友達に全部返せて次の月から私に分割で払うというのだ。私は考えに考えてやっぱり払ってしまった。自分にとても腹がたった。自分がイヤでイヤでしょうがなかった。また、キライな自分に戻るのか…
ショックでふらふらと歩きうずくまっていたら、ふっと目の前にカフェがあった。時空間カフェ?
雨が降り出したのでふらっと入ってしまった。
席に着くと店員さんが来てお店の説明があった。
「いらっしゃいませ。当店は雨の日しか営業しておりません。過去と未来を自由に行き来する優待券を4枚差し上げます。過去に行きたい時はアイスの飲み物を。未来に行きたい時はホットの飲み物をお飲み下さい。ただし、過去も未来も状況を変える事はしないで下さい。ただ、見に行くだけになっております。」
メニュー表を見ると2年前に戻るにはスペシャル抹茶アイスラテと書いてあった。寛樹が本当の事を言ったのか確かめたくなり、スペシャル抹茶アイスラテを頼み飲み終わると「行ってらっしゃい」と店員さんの声がして目の前が真っ白になった。




