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とりあえず、黙って

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

正論は相手を黙らせるために使うんですよ。

だからあんまり好きじゃありません。

それでも使うのは、単純に私の気性が荒いから。

「君、一つ良いことを教えてあげよう。相手を黙らせるには、『うるせぇ黙れ』と叫ぶよりも、正論ぶっぱした方が良いよ。確実に相手が黙るから」

議論と議論の隙間時間、彼女はテーブルに乗った紅茶を啜りながらそんな事を話した。

基本的に相手を傷付けない物言いを心掛けている。言い方一つ、言葉遣い一つを意識して、彼女は延々と日常会話を続けている。

けれども議論となると話は別。言葉は研ぎ澄まされた刃の様に相手に突き立てる。容赦ない正論を並べ立て、相手を打ち負かしていた。

「だから私、仲良くしたい人に正論ぶっぱしたくないの。気分悪いでしょう?」

そう言って笑った。


「『自分の浮気は許して欲しいけど、相手の浮気は許さない』この言葉について議論なさい。あくまで感情的にならず。思考時間は五分。初め」

その言葉を聞いた時、私はブチ切れそうになるのをとりあえず諌め、気合いで諌め、思考をぶん回す。落ち着け。殴って解決するなら皆そうする。そうならないのは、効率的じゃないからだ。

まず、生物学的観点に置いて、その思考回路は半分正しい。半分正しいと言うのは前者の方。

種の繁栄を目的とするならば、其の方が効率がいい。一人の人間と連れ添うよりも、不特定多数の者と交わった方が、遺伝学的にも種が“残りやすい”。

が、獣と人間とで視点が変わってくる。今のは獣の話。今度は人間の話をしよう。

人間と獣を隔てるのは論理であり、道徳であると私は思っている。それが無ければ人間と呼ばない。少なくともこの発言は道徳的、倫理的とは言えない。何故なら浮気をする事によって相手が傷付くことを予測出来ず、軽々しくそのような思考を行っているから。

それはそれとして、軽々しく言った奴、殴らせろ。

議論が始まる。

「この気持ち少し分かるんだよね。やっぱり本能には逆らえないわ」

「あーでもさ〜」

「ちょっと良い? この議題の最初の定義に『感情的にならず』というものがあったでしょう? 今のは君の個人の感情じゃないの? 少なくともこの場での君の振る舞いは、肯定出来ないかな」

静かに窘めると静かになった。あんまり良い方法じゃないけれど、力任せに怒鳴って、殴るよりも穏便かな。

紳士淑女の皆様、正論とはこう使う。『お前の話は聞きたくない。とりあえず黙れ』これを理論的に伝えると正論になる。

皆様きっとご存じ。気性が荒い人間です。

それはこの子が論理構築する前に『お前とりあえず殴らせろ』からお分かり。


でも気性が荒いままでは、相手にろくすっぽ伝わらないですし、誰の賛同も得られません。

感情を抑える為に使っているんですよ。


あともう一つの理由はタイトル通り。

『相手を効率よく黙らせる為です』

『煩いから静かにして』だとまだ足りない。

伝えたしても、静かにしてくれるかどうかは分からないので。

面白がってはしゃぐ人を知ってますし。

暴論で返ってくる事もありますし。


だから攻撃性能がそれなりに高い。めっちゃ高い。

『受け入れて欲しい』という本能からちょっと外れている気がするので。

仲良くしたいなら正論よりも同調ですよ。

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