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贄の運び屋  作者: ニシキメサイコ
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レヌァスン神話

それは遠い遠い昔の話じゃ。


その当時はまだレヌァスンも未開拓の地が多くてな、血気盛んな若者たちはまだ見ぬ場所を求めてひたすら歩いたのじゃ。


じゃが、人には寿命がある。年老いて体が自由に動かなくなる者が次第に出始めた。


そこで年老いた者はその場に留まり、旅の途中で生まれた子どもたちが志を継いだのじゃ。


ただ、ひとりだけ最初から残っていた男が居った。


その男は他の者に比べて歳をとるのがだいぶ遅れておっての、生まれてからおよそ300年経った頃でも、外見はまだ18歳じゃったという。


そして何回か世代交代が行われたある日。


5ヶ月ほどいなくなっていたその男が突然皆のところへ戻ってきたかと思ったら、こんなことを言ったそうじゃ。


「この大地の中央には巨大な水たまりがあって、その真ん中には島が浮いてるんだ。俺はその島で、あるバケモノと会った。そいつは異能の力を持った生け贄を望んでいる。早く、早く生け贄を……」


その言葉を信じた人々は、火に飛び込んでも無事だった女を生け贄にした。

 

じゃが、それでは終わらなかった。


その怪物は男に、「この世界は、定期的に異能の力を持つ赤子が一人だけ産まれるようになっている。80年毎に生け贄を供えに来い。さもなくば、お前のせいでこの世界が終わることになるぞ」などと言ったそうなんじゃ。


そして今年は、供物くもつを運んだ儀式、つまり、“運供の儀”の始まりから数えてちょうど960年。


12回目の運供の儀の年なんじゃ。


そしてアズーは異能の力を持っておる。もう、わかるじゃろう……。

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