初めての依頼
七つの大罪の七人。彼らが関係しているのは間違いないが、あれはかなり古い書物だった。
今彼らが生きている可能性は低い。
ならば誰が仕組んでいるのか。
分からないが、正直現時点で大きな被害が出ているわけではないので気にし過ぎ……と言えばそれでしまいだ。
「ひとまずはBランクになったんだ。ギルドに行ってなんか依頼でもこなすか」
「いいねぇ! 私もっと皆の役に立ちたい!」
「わたしもですー!」
ついでに受付嬢さんにも報告だ。
向こうも何か進捗があるかもしれないしな。
俺たちはギルドの門を開き、カウンターへと向かう。
「あ、ようこそ! 今日は何か依頼ですか?」
「そうですね。やっぱり冒険者業をしないと生活できませんから。あ、それと」
俺はひとまず、現在知り得た情報を受付嬢さんに伝える。
宝石の名前や能力のこと。七つの大罪のことを。
受付嬢さんは何度も頷きながらメモを取り、パタンとノートを閉じる。
「ありがとうございます。近々ギルドマスターからお話があるかもしれませんが、その際はお願いしますね」
「もちろんです。役に立てる範囲で頑張ります」
「ともあれ! 今日は依頼ですよね! ちょうど魔物駆除の依頼が入っているんですよ!」
「魔物駆除か。アリシアやドリスにとってもいい依頼なんじゃないのか?」
「そうだね! なんだか本格的に冒険者らしくなってきたー!」
「燃えますね!」
俺は受付嬢さんから依頼書を受け取り、内容を確認する。
ふむ。王都内のホール村がゴブリンの群れに被害を受けているか。
「それじゃ、この依頼受けます!」
「ありがとうございます! アラン様たちなら瞬殺ですね!」
そういいながら、受付嬢さんは依頼書にハンコを押して手続きを済ませる。
少し緊張するな。昇格任務はやったが、このパーティーで正式な依頼は初めてだ。
「馬はギルドで用意していますので、そちらをご利用ください! それでは、ファイトです!」
「よし! アリシア、ドリス! 頑張るぞ!」
「頑張ろうぞ!」
「頑張りましょう!」
◆
「おい……アリシア、お前馬乗れないのか?」
「あはは! 乗れない!」
「あははじゃねえ。しゃーない、ドリスの後ろに乗せてもらいなさい」
「あの……申し訳ないのですがわたしも乗馬が得意なわけじゃなく。二人乗りはさすがに怖いです……」
……マジか。
俺は困りながらも、アリシアに顔を向ける。
「俺の後ろでよければ乗るか?」
「乗る乗る! いやー感謝!」
「全く、しゃーな――」
待て待て待て。
少し考えてみたら分かったことなんだけど、この体勢……めっちゃ胸が当たる!
アリシアが腰に手を回してきているせいで、更に当たっちゃってる!
「アリシア。両手を離して乗馬するっていう器用な真似できるか?」
「できるわけないじゃん!?」
そらそうだよなぁ。
仕方がない。耐えろ、俺。
「んじゃ、出発だ」
「「おおー!!」
門をくぐり抜け、平原を駆け抜ける。
王都って言っても、領地はかなり広い。
ここ、エルドリ王国自体の領地が広大すぎるってのもあるが。
「馬ってなると冒険者感が出てくるわね!」
「そうだな。楽しいか?」
「楽しい! ね、ドリス!」
「はい! 超楽しんでます!」
「そりゃよかった」
なんて会話を続けながら走り続け、やっと村付近までやってきた。
やっぱり馬に乗って移動しても半日は潰れるか。
「まずは挨拶でもしないとな」
なんてことをいいながらホール村に入り、村長宅を尋ねたわけなんだが……。
「……貴様が依頼を引き受けてくれた者か」
「は、はい……」
あれ? 全く歓迎されてなくね?
村長、めちゃくちゃ怖い顔してるんだけど……!
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