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後編

「それじゃあ時間にはちゃんと戻って来るんだよ」


それから1時間後位釣ったのだが同じ魚が3匹という結果に終わった。


初めてやる割には手応えがあったんじゃないか?


「せっかくですしこの船の料理人にさばいてもらいましょうよ」


私達はその後船の厨房へ魚を持っていくことにした。


そろそろ休憩時間が終わりそうだし急いで向かおう。




「おいおい、こいつぁ食えたもんじゃねえぞ。それでも大丈夫なのかい?」


「せっかく釣ったんでお願いします」


料理人によると私たちが釣った魚はあまり味が良くないらしい。


それでも普段動物の肉しか食べていない我々にそんなことはお構い無しであった。


「それじゃあ夕食の時にさばいたやつを取りにこい」




「緊急招集だ」


午後の仕事に励んでいると急にバイトに招集がかかった。


先程から船が不自然に揺れる事と何か関係がありそうだな。




「この船は今シャクホークに攻撃されている。これから君たちには奴を追い払ってもらう」


スタッフルームに集められたクルー達にラムトリオさんは告げた。


シャクホークっていうのは昔に人間が作ったサメとサイのキメラだ。


ナワバリ意識が高い彼らは自身の場所を荒らされたと勘違いしてこの船に攻撃しているようだ。


こういうことはガーディ海ではしょっちゅう起こるらしい。


これもバイトの仕事のひとつなので私達は防衛スーツを着て海に潜った。


「攻撃ぃ!」


私達は容赦なく配られた水中弾を撃ち続けた。


よしよし効いているな。


「隊長!奴ら隊長を狙ってます。逃げてください!」


彼らは私に目掛けて突っ込んできた。


こんな大量のシャクホークから攻撃を食らえば誰だって一溜りもないだろう。


「助けてくれぇー!!」


「隊長ー!」




「おつかれさん。よく頑張ったね」


死ぬかと思った。


色々あったが、命懸けの戦闘を終え無事船まで戻って来たのである。こんなに苦戦すると分かっていれば愛用のレイピアを持ってきたのに。いや、水中では使えないか。


その後、着替えた私達は仕事に戻っていった。




午後6時 厨房より


「そこの刺身3番様の席へ運んでいってくれ」


客に出す料理を作った料理人はスタッフにそれを運ぶよう伝えた。


「なあ、あれフェル・マーリンとか言うやつが釣った魚じゃなかったか?」


右隣で仲間の料理人が声をかけた。


「いや、それは左の皿の方だったはず、、、」




3番客席、それは政府の幹部たちが宴会をしている席である。


「いやあ、今年も色々ありましたなぁ」


「ですねぇ」


幹部達が楽しそうに会話をしている。


「お待たせしました」


スタッフがつい先程料理人から受け取った料理をテーブルに並べていく。


「鬼族の奴らときたら、、、」


その料理を箸に取った幹部の1人がなにかの違和感に気づく。


「先輩?」


アルが幹部の顔をうかがった。


「うっ、、、。おい君!なんだこの魚は?頼んだものと違うじゃないか!」


彼はたまたま近くにいた私に声をかけた。


「少々お待ちください。料理人を呼んでまいります」


げっ、政府のお役人の席だったか。バレなくて良かった。


「ちょっとお客さーん」


ナイスタイミングだ。


料理人が廊下側から慌ててやってきた。


「申し訳ございません。すぐに取替えます。フェル・マーリン君すまない。君の魚を間違えてお客さんに出しちゃた」


「フェル・マーリンだと?!」


料理人の言葉にアルは驚いて席を立ち上がった。


「この男は僕が前に話したいつも僕たちの邪魔ばかりして来る組織の首領です」


「なんだと」


説明するアルに幹部達はざわめき出した。


「ということはアレか?俺たちに認めて貰えなかった恨みに自分らが釣った魚を俺たちのテーブルを持ってきたっていうのか?」


「そうだ!そうに違いない!誰かこいつを連行しろ!」


どうして彼らは勘違いばかりするのだろう。


「違うんですよ!誤解しかない!あんた達はいつも早とちりすぎるんだ!」


「隊長ぉー!!」


私は一時的に連行されたが、料理人の説明により解放された。


この流れで誤解が重なり彼らとの関係が悪化したか、、、。はぁ、、、。

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