09 王族と少年
少年視点です。
ふと、気づくと洋館の大広間のようなところにいた。
目の前には、ドレスを着た同い年ぐらいと思われる女性がこちらをじっと見ている。
日本では、こんなきれいな人は見たことがなく思わず目をそらす。
アニメのコスプレをした美女はインターネットでよく画像を見ていたが
本物の赤い長い髪に、赤い瞳の女性は初めて見る。
スタイルも素晴らしい。日本でアイドル活動をすれば、すぐに有名になれるだろう。
「はじめまして、私はクーナ・グラナダと申します。グラナダ王国の第2王女でございます。
勇者様、お名前を教えていただけますか。」
流ちょうな日本語を話すことに違和感を感じる。
「驚かせてしまいましたか、勇者様は、私たちの言葉を
自分の最も理解ある言語で理解できるそうですよ。」
クーナは、にっこりと話す。
「そうでしたか、私は鈴木です。」
「スズキ様ですね。これからよろしくお願いします。
ずいぶん落ち着いていらっしゃいますね。」
「そうで見えますか。内心はとても驚いてますよ。」
まぁ、サリーさんのいう通りだし、多少はね。
「それで、私に何をさせたいのですか。目的があるんですよね。」
「スズキ様からそういってもらえるとありがたいです。
実は、この国は危機を迎えております。それを救っていただきたいのです。」
なるほど、それは本当にライトノベルのような展開だな。
特別なスキルとかはないのだが、大丈夫なんだろうか。
誰かと戦えとか言われても困るんだけど。
「国の危機といいますが、それはどういうことですか。漠然と救ってくれと言われても
できるなんて言えないです。」
「それはそうですよね。わたくしとしたことが。
順をおって説明しますね。」
クーナの説明は続く