10 王女の依頼
「実はこの国は4つの危機に瀕しています。
その中でも勇者様、いえスズキ様には魔王の脅威に対応していただきたいと思っております。」
クーナは、両手を胸の前に組み、祈るようなポーズで、話す。
瞳は、少しうるんでいる。
「魔王の脅威とはどういうことですか。」
クーナさんはずいぶん必死だな。断りずらいな。
召喚された時点で、拒否権などない
「この王国の北は、未開拓の土地なのですが、そこから、魔物が人々を襲うのです。
魔物の中には、人語を話すものもおり、それにより魔王の存在が明らかになりました。
魔物による被害は、日々拡大しており、今も罪のない人々が魔物を犠牲となっております。
私たちも魔物討伐に力を入れておりますが、成果はなかなか上がっておりません。
どうかお力をお貸し下さい。」
そして深く頭を下げる。
「わかりました。元の世界に未練はないので、協力します。
でも、戦闘経験なんてないですよ。」
前向きな答えにクーナの表情が少し緩む。
「スズキ様の力を伸ばすべく、サポートさせていただくものを用意いたしました。
そのものの指導を受けてくだされば、力がつくと思います。
どうかよろしくお願いしますね。」
「わかりました。じゃその指導者をよんでもらえますか。」
どんな人か楽しみだな。
「ありがとうございます。少しお待ちください。」
そういって部屋からクーナは部屋から出て行った。