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しろたま  作者: ぬこ
5/6


 このシステムについての法案が提出された時、「基本的人権」を侵すことになるのではないかという反対派の意見が出た。が、それを上回る犯罪率が賛成派の意見を通す事になった。増え続ける犯罪を一つ一つ取り締まるのは傍目にも無理が見える。


 犯罪者の権利をどうこうと言う前に、増え続ける被害者の救済をと言うのは数十年も前から上がっていた声であり、被害者の会の後押しもあって、このシステムが採択されることになった。


 それに伴って「正義の味方法」という世にも珍しい法律が成立し、それを元として「しろたま」が普及していった。この法律は一般にわかりやすくという点に重点を置いている為、法律と言うよりは説明書のような物になっていて、新しい機能や決まりが追加される度に個人個人にしろたまを通じて知らされるようになっている。


 ちなみに余談として、「しろたま」のイメージキャラクターだった人気俳優が、深夜酔っ払って住宅地の電柱に小便をした事が「しろたま」で明らかになり、その効果の程を実感しながらも苦笑していたのは未だに語られる出来事だ。



「珈琲淹れてくれ」


 暇を持て余し「正義の味方」の情報ページを見ていた神田に声を掛けるのは、芹沢。書類がひと段落着いたところで気分転換だ、と体を伸ばしてゆっくりと首を回す。ゴリ、ゴリと音が聞こえるが、多分自分だけにしか聞こえない音だろう、となんとなく思う。


「ブラックでいいですか?」

「ああ、頼む」


 どうせ待ち時間の暇つぶしなんだから、仕事絡みだけじゃなくて秋のバーゲンセール情報辺りを見ても構わんのだが、と給湯室に向かった彼女のパソコンをちらりと見て呟く。大抵の女性職員が暇つぶしに見ているのは大抵そんなサイトで、次いで旅行情報やら、スイーツ情報やら。


 仕事中ではあるが、時間内は全て業務の事以外は禁止している訳ではない。もちろん節度を守った上でなのだが、それにしても神田は生真面目すぎる。


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