悪いことをしたら、晒される。─老若男女を問わず、誰の目にも明らかに。
「やべ、もしかして」
異変に気付いたのはお互いにシャワーを済ませて、一線を越えた途端。頭の中に警告音が鳴り響いた。
初めて聞くその機械音に驚いて、急激に萎え始めたのを感じながらメイを見る。最初に聞いておけば良かったと思ってももう遅い。
念の為に、君、何歳? と聞いた俺に何が起きたのかわからないような顔で、多分まだ十五と答えたメイは可愛かったけれど、それ以上行為を進める事はもう出来なかった。
後十五分位で十六歳になるところだったと聞いて、もう十五分、焦らずに居られなかった自分が情けない。
淫行罪が十六で解除になるのは知っていたのに、まさかこんなギリギリで捕まるなんて。
もし気が変わったら困るなんて思って焦らないで、もうちょっとゆっくり風呂に入っておけば良かった。
三時間の休憩で何回出来るかとか考えないで、じっくり攻めれば良かった。
そんな事を思ったって今更なんだからもう仕方ない。
仕方ない、で済ますには若干荷が重いけれど、と鏡で自分の頭上を見て思う。
左目にだけ映る、白い球形。
丁度頭の天辺から五センチ程浮いた所にある、それ。
明日の正午になれば、これの色が変わるはずだ。
今回の事情を元に簡易裁判が行われて、その結果によって自分の犯罪レベルを周知させる事になる。
後十五分位だったんだし、軽く済めばいいけどな、なんて思うけれど結果が出るまでは考えるだけ無駄だ。明日は会社を休んだ方がいいだろうな。そう思って、頭の中で有給が何日残っていたかぼんやり考え始めた。
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