表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シナリオ系

コント「新米看護師」

作者: 思考亭四郎

看護師「お早うございまーす。朝の検診に来ました」

患者「お早うさん。あれ、いつもの看護師さんじゃないね」

看護師「新人なんです。宜しくお願いします」

患者・看護師「ふぅ(互いに見つめあって固まる)」

患者「(痺れを切らして)どうしたの。検診でしょ?」

看護師「えっ、はい。えっと何にいたしましょう?」

患者「はい?何にするって、いつもの検診するんでしょ」

看護師「はい、いつものですね。かしこまりました。ところで患者様はこのお店のご利用はございますか?」

患者「ご利用はございますかって、俺は1ヶ月前から入院してるよ」

看護師「まあ、常連さんなんですね。ありがとうございます」

患者「(深々とお辞儀されて戸惑う)常連さん?」

看護師「ではスタンダードコースですね」

患者「(更に戸惑い)スタンダードコース??」

看護師「検温、脈拍、血圧と、問診です」

患者「ああ、まあ、いつものだな」

看護師「じゃあ、検温からいきますね」

患者「ガラスの検温器とは懐かしいね」

看護師「ですねー、良く振らないと、あっ。(下を向いて、一瞬固まるがすぐに何か拾う仕草してから、患者に手を近づける)」

患者「ちょっと待って!今、検温器落としたでしょう」

看護師「大丈夫です。3秒以内で拾ってますから」

患者「3秒ルールか!って言うか割れてるだろ、近づけるなよ、危ないだろ!」

看護師「ちっ」

患者「ちっ、て言うなよ」

看護師「(ぱっと手を開いて、足で床に掃くような仕草)」

患者「落とすなよ。落ちた検温器をベッドの下に隠すなよ!雑だな」

看護師「大丈夫です。お店閉めたら掃除しますから」

患者「お店閉める?……消灯時間後に片付けるってことか?何か話が噛み合わんなぁ」

看護師「(新しい検温器を取り出す)はい、どうぞ」

患者「はい」

看護師「(少し待ってから検温器を回収)36度5分ですね」

患者「平熱やね」

看護師「そうですね。サービスで38度にしときますね」

患者「いや、待てよ!サービスって意味分からんわ」

看護師「遠慮なさらずに無料てすから」

患者「無料とか関係ないから。平熱が発熱になっちゃ不味いだろ」

看護師「えーーー、そんなこと言う方、初めてです」

患者「初めてなのか。俺が変なのか。と、とにかく正確に記録してくれ」

看護師「そうですかぁ、36度5分っと。次は脈拍ですね。えっとオプションがありますがどうしますか?」

患者「オプション?」

看護師「えっと、まずチェキ付き」

患者「チェキ?」

看護師「脈拍測ってるところを写真で取れます」

患者「はぁ?」

看護師「それから、お散歩」

患者「お散歩?」

看護師「院内をお散歩しながら脈拍取ります。階段を上り下りしながら取ります」

患者「脈拍上がりまくるでしょう。そんなので正確に脈拍計っていると言えないでしょう」

看護師「最後は逆脈拍です」

患者「逆脈拍?」

看護師「患者様がワタシの脈拍を計るんです」

患者「君の脈拍を計ってどうすんだよ。もはや、検診にもなっていねぇ。本当にあんた、看護師さん?」

看護師「勿論。(携帯が鳴る。携帯をとり、話をしだす)はい。ああ、店長。えっ?もうシフト入ってますよ。えっえっーー」

看護師「(患者に)ここ病院なんですか?」

患者「病院だよ」

看護師「本物の病院?」

患者「本物の病院だよ」

看護師「あっははー、私、隣のコンカフェと間違えました」

患者「寝間着着てコンカフェに来るやつがいるか!」

看護師「いやー、コスプレかと思ってました。それじゃ!」

患者「それじゃ!じゃねーよ」

看護師「ああ、お客さん、顔色悪いので一度お医者に診てもらった方がいいですよ」

患者「やかましーわ!」


2019/10/13 初稿

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] オチが効いてました! 面白かったです。 逆脈拍もツボりました。 ありがとうございました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ