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05

 結果、私も王子も怪我無く生きている。気が付いたら私はエレノアにお姫様抱っこされていた。半獣人のもつ身体能力の高さを活かし、エレノアは私が噴水に落ちる前に助けてくれたのだ。ヒロインでイケメンとは彼女のことだろう。


 王子の方はどうなったのか、視線を向けると王子を襲った男が大樹につぶされ、身動きを封じられていた。王子が驚いたような顔でこちらを見ていたから、エレノアの魔法かと思い、エレノアを見た。彼女は私を見ながら驚いた表情を浮かべていた。


 …私の属性魔法か?でも、6歳になったばかりだし、この世界は大体8~10歳くらいで魔法が発現するはず。


「ケイティ。あなた、今、魔法を使ったの?」

「わからないけど、なにがあったの?」

 首をかしげていると、どこからか警備兵や町の人たちが集まってきた。そりゃあ、なかったはずの大樹現れたら、ざわつくよね。


「なにがあったんだい?」

「…この男たちはそこにいる少女を誘拐しようといていました。偶然近くにいた俺とそこの女子で防ぎました。」

 きっと王家と同じ青髪銀目だったので狙われたのでしょうと、さらりと嘘をつく王子。誘拐されそうになったのは君が原因なのだけれど。王子が町にいたら大騒ぎになるから仕方がないか。


「この樹は私がやりました。まだ魔法のコントロールがうまくできなくて、すみません。」

 エレノアまで嘘をついたことに驚いていたら、王子に腕をひかれ耳打ちをされた。


「…いいか。君が魔法を使ったかもしれないことは、誰にも言わないように。」

 こくりと頷けば、彼は少し柔らかく微笑んだ。すぐにクールな表情に戻ったけど。


「ケイティ!!」

 大きな声で私を呼ぶ声が聞こえ、振り向けばアーノルド兄様がいた。走ってきてくれたのか少し息が上がっていた。アーノルド兄様は私の無事を確認し、状況を把握するとエレノアと王子に礼を述べた。


「ありがとうございます。きちんとお礼をしたいのですが、この子も疲れているだろうし…。」

「お礼だなんて気にしないでください。ゆっくり休ませてあげて。」

「同意見だな。怖がっているだろうし、早く家に帰った方がいい。」

 アーノルド兄様は一礼して、私の手を引いて馬車まで向かう。私はエレノアと王子に手を振って別れた。

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