表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

03

 そして迎えてしまった、私の6歳の誕生日。アーノルド兄様とレジーナ姉様は張り切って出かける準備をしていた。2人は変身魔法を使い、髪色を交換していた。赤髪紫目の美少年と黒髪金目の美少女の完成である。私は青髪に銀目の美少女である。この家系と言うか、この世界と言うか、見目の美しい者ばかりで目が疲れてしまいそう。


「ケイティ!貴女はどんな姿でも愛らしいですわ。さすが私の妹ですわ!」

 レジーナ姉様のシスコンは通常運転で、私を抱きしめていた。彼女のぬくもりを感じながら、もしかしたら自分が死ぬ運命を変えられないかもしれない、そう思うと涙が出そうだ。


「レジーナ、ケイティ。はぐれないように気を付けるんだよ。もし、迷子になっても無闇に歩き回らないように。」

 もちろんと頷いたけれど、人の多さと、私が勝手にふらふらとしていたせいで案の定迷子になりました。いやぁ、ヒロインの歌声が聞こえたら思わず走ってしまうよね。


 ヒロインは噴水の前で楽しそうに歌っていた。ふわふわとした茶髪のロングヘアに、水色の瞳、半獣人の特徴である獣の耳と尾も持つ彼女は、天使かと言うほどに可愛かった。彼女は猫の半獣人であり、音魔法を得意とする人物である。彼女は私と目が合うと優しく微笑んだ。


「どうしたの?迷子になっちゃった?」

「う、うん。兄様と姉様と一緒だったの。」

「そっかぁ。一緒に探しに行こうか?」

 私の頭を撫でながら言っているが、それは困る。この噴水は王子とヒロインの出会いのシーンで描かれていた。どうにかして引き留めなくては。


「迷子になったらその場にいてって言われたの。だから、ここで待ってる。」

「うん。それなら一緒に待ってようか。私はエレノア。エレノアって呼んでね。あなたのお名前は?」

「ケイティだよ。よろしく、エレノア。」

 それからヒロインことエレノアは、いろんなお話をしてくれて、歌も歌ってくれた。何をしても愛らしい。さすが愛されヒロインである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ