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 アーノルド兄様が現れたことに驚いていると、兄様は私を見て微笑んだ。この笑顔はあまりよくなさそうな意味だ。


「ケイティ。まさかそこまで魔法を極めているとは思わなかったけど、それを作るべきではなかったな。」

 世界樹はジークの過去の話で出てきただけだし、いまいち分かっていない。ゲームのレアアイテムになっていたとかならわかるけど、そんなことはなかった。どうしたらいいのだろうかと困っていると、兄様が優しく頭を撫でてくれた。


「世界樹は土地を護るもので、もし、戦争が起きた時に、世界樹がある土地とない土地で戦況は大きく傾く。だから作ることは禁忌とされていたが、作れる者はいないから

そのことも忘れらていた。作れるものがいると知れば各国から狙われるだろうね。」

 そんな大ごとだったの!?普通に作ってしまったんだけれど。困る。それにこれを取引材料として、ジークと交渉も難しいってこと!?


「妹を失うわけにはいかない。ジーク、世界樹が失われたことを実際に目で見たものはお前以外にいるのか?」

「あの時の生き残りは自分だけで…あとは燃やした本人だけですね。」

 確か黒龍がやってきてジークたちがいた土地の世界樹を燃やしてしまったんだよね。しかもその黒龍は兄様のバッドエンドで出てくるんだよね。


 レジーナ姉様が悪役令嬢として処刑された後に、兄様は妹をまた守れなかったという後悔と共に、この世を恨むようになり、狂暴と恐れられた黒龍を召喚する。そしてその黒龍の力を借りてこの国を燃やし尽くすという恐ろしい事態になっていた気がする。そして最後には自ら黒龍の炎に飛び込み命を終えるという誰も救われないエンディングだ。このエンディングに行くにはアーノルド兄様とオズウェル様の仲が悪いことが大前提である。しかし、今のところ仲が悪そうな感じはしないんだよなぁ。


 自分が生きることで回避できる死亡フラグもあれば、逆に回避しづらくなったものもあるのかな。ぼんやりと考えていると、兄様が私の頭を優しくなでた。


「…大丈夫だ。何があっても私はお前たちの味方だよ。」

 にっこりと笑顔を浮かべている兄様。なんでだろう、とても穏やかな笑みなのに、何か嫌な予感がするなぁ…。


 ジークに目を向けると、彼もまた私と同じ気持ちなのか、顔が引きつっていた。

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