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 外を見ると、馬車が止まっていた。きっと兄様たちが帰ってきたのだろう。玄関に行くと、レジーナ姉様が笑顔を浮かべて私に抱きついてきた。とてもいい香りがして、さすが姉様だと思ってしまった。なんだろう…お花のような香り。キツくなくて、ふんわりと香る…薔薇のような香りだ。


「ケイティ!天使が迎えにきたのだと思ったわ!」

 金色の瞳をとろりと溶かして、レジーナ姉様は更に笑みを深めた。全身で好きを表現している。嬉しいような、恥ずかしいような、そんな気持ちで困っていると、アーノルド兄様が姉様の後ろから現れた。私と姉様の頭を撫でて、にこりと笑う。


「妹達が仲がいいと微笑ましいけど、ケイティは何か用事がありそうだね。」

「そうです!ジークさんに、用事があって。」

 私がそういうと、姉様は笑顔のままピシリと固まった。何かまずいことを言っただろうか。首を傾げていると、姉様が口を開いた。


「…ジークは、駄目ですわ!!ジークではケイティを幸せに出来ないと思いますわ…。」

 ぶつぶつと何かを言っているけど、放置してもいいかな。どんな妄想しているのか想像はできるけど、想像したくないな。ちらりとアーノルド兄様を見ると楽しそうに姉様のことを観察していた。多分、大体の把握をした上で、この状況を楽しんでいる。悪い人だ。


「姉様、何を勘違いしているのかわからないけど、ジークさんには毒草に関しての知識をお借りしたいだけです。」

「…毒草?誰に使うの?」

 姉様の妄想がすごい…。誰に使うのかって、私が誰かに使いそうな人間に見えるのかな。使いそうな人間なら兄様じゃないかな。


「珍しい毒草でも咲いたのかい?」

「…え、えぇ。そうです。」

「どう管理したらいいのかという事を聞くんだろう。後で温室に行くように言っておくよ。」

 にっこりと笑う兄様。後でということは今は難しいのだろう。何か外で用事でも頼まれているのだろうか。ぼんやりとしていると、姉様が手を引いて歩き出した。


「レジーナ姉様?どこへ行くのですか?」

「…オズウェル様が来るから、私たちは逃げましょうね!」

 とてもいい笑顔で言ってる…。いや、逃げるってなんだ。しかも、兄様は残るらしい。まぁ、月の柱が来て、誰もいませんでしただと…可哀想だものね。


 …そうじゃないわ。月の柱が来るのになんで、逃げるんだ。普通はお出迎えの準備をするところだよ。柱の剣の家の子達なのに。


「…姉様。柱の剣を目指すなら、未来の主人から逃げてはいけないと思います。ダメですよ!」

 私がそういえば姉様は今までに見たことが無いような、鋭い瞳で私を睨んだ。美人の睨みは心臓に悪い。それに今まで溺愛してくれていた人に睨まれると、心が痛い。鼓動が早くなって、頭が真っ白になる。


 そして、姉様は私の手を両手でそっと包んだ。目線も合わせてくれている。


「…ケイティ。もう一度ダメって言ってくださる?とっても可愛らしかったわ!」

 どうしたら姉様ときちんとお話ができるのだろう。あと、兄様はいつの間にか少し離れたところで優雅にお茶を飲んで、私たちを眺めているけど、助けてくれないのね…。

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