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八月十日……その十八……

 夏休み……八月十日……。

 オールブレイカーこと『不死鳥ふしどり 壊人かいと』は夢の中で彼の妹と名乗る『不死鳥ふしどり 小雪こゆき』に噛み付かれた。

 彼の首筋から何かを吸い出すような素振りはしなかったが、ずっとその体勢でいたため、さすがの彼も疲れてしまった。

 彼女に自分から離れるよう提案すると、自分の全てを寄越よこないとできないと言われてしまったため、彼は返答に困ってしまった。

 彼の全てをほっする彼女が彼に迫った時、彼は無意識のうちに彼女の胸に触れてしまう。

 その直後、彼女の態度がいい意味で一変した。

 しかし、彼が最後の最後にミスをしてしまったため、再び首筋に噛み付かれてしまった。

 その直後、意識を失ってしまって彼がどうなるのかはまだ分からないが、とにかく彼の無事を祈ることにしよう。


「……お兄ちゃん……ごめんなさい……。私のせいでお兄ちゃんは……」


 白髪ロングと血のように赤い瞳(ジト目)と白いワンピースが特徴的な美少女……いや美幼女『不死鳥ふしどり 小雪こゆき』は、目尻にまった透明な液体をポロポロとこぼしていた。


「私、今までお兄ちゃんとお話ししたことなかったから、ついやりすぎちゃったというか……なんというか……」


 彼女が彼の頬に触れながら、体をふるわせていると彼はゆっくりと目を開けた。


「……思い……出した……。そうか……。お前は俺で……俺はお前……だったんだな……」


「お兄ちゃん! よ、良かった。私、てつきり死んじゃったのかと思ったよ……」


 彼は彼女の手をにぎると、微笑ほほえみを浮かべた。


「バーカ……。俺がそう簡単に死ぬわけねえだろ?」


「うん、そうだね……。お兄ちゃんは昔からとっても強いし、優しいし、頼りになったもんね」


「昔か……。俺がさっき思い出した記憶は俺が研究所を破壊する少し前のものだったが……。お前はいつから俺のことを知っているんだ?」


「え? あー、えーっとね……。お兄ちゃんが私の体の一部だった時からだよ」


「そうか……って、ちょっと待て。それはいったいどういう意味だ?」


「あれ? もしかして、お兄ちゃん。お母さんから聞いてなかったりする?」


「えーっと、すまない。何のことだかさっぱり分からない」


「そっかー。じゃあ、今ここで伝えてもいい?」


「あ、ああ、いいぞ。覚悟はできている」


「よし、じゃあ、言うよ」


「お、おう」


 彼女は少しをおくと、彼に真実を伝えた。


「あのね、私とお兄ちゃんは一卵性いちらんせい双生児そうせいじ……つまり、双子の兄妹きょうだいなんだよ」


「……え? えええええええええええええええ!!」


 彼の叫び声が白しかない空間に響き渡ると同時に、彼女は嬉しそうにニッコリ笑った……。

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