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八月七日……その八……

 夏休み……八月七日……。


「……ん? 今、なんかとんでもない力が発動したような……気のせいか」


 オールブレイカーこと『不死鳥ふしどり 壊人かいと』はパーフェクトブレイカーが力を暴走させたことにより、彼が入院していた病院が破壊、そして人々の記憶からその病院が抹消……まあ、破壊されたことを知らない。

 だが、同じ……いや、似ている超能力者同士だからなのかは分からないが、ある程度、離れていなければ、お互いを認識できるようだ。

 まあ、彼の反応から察するにまだかなりはなれているのだろうが……。


「うーん、なんか嫌な予感がするけど、とりあえず心悟しんごのところに戻るか」


 彼がそう言った直後、世界は滅んだ……。


「…………う……うーん……あれ? 俺、なんで浮いてるんだ? というか、まだ昼なのにどうして空が暗いんだ?」


 彼が自分の置かれた状況を理解するのに、そんなに時間はかからなかった。


「ちょ、ちょっと待て……。とりあえず落ち着こう。うーん、まあ、要するに……地球という星は消滅したわけだな。そして、宇宙空間でも生きられるのは俺クラスの超能力者か……クマムシぐらいってことだな。さてと……これからどうしたものかな」


 彼の超能力……『オールブレイカー』は概念だろうと物理法則だろうと脳のリミッターだろうと破壊できる。

 そのため、彼は生命活動を維持できるのである。


「うーん……まあ、隕石か、宇宙人の侵略か、神の裁きは分からないけど、クマムシじゃ世界を元に戻すことはできないから、俺がなんとかするしかない……って、ことだな……」


 彼は、右手を前に出すと、パーにした状態でこう言った。


「オールブレイカー……発動」


 その直後、地球という星が消滅したという出来事は破壊……つまり、無かったことになった。


「……よし、これで大丈夫だろう」


 実は彼が地球をこんな風に守ったのは今日が初めてではない。

 まあ、そのたびに無かったことにするのだが……。


「さてと……それじゃあ、気を取り直して……心悟しんごのところに行くとするか!」


 彼はそう言うと、温水プールのどこかで一人《さび》寂しく待っているであろう義理の弟のところへ向かい始めたのであった……。


「あー! もうー! お兄ちゃんはいったいとこまで行っちゃったのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 その頃、心悟しんごは義理の兄が『気温上昇』使いを倒しに行ったきり、なかなか戻ってこないため、しびれを切らしていた……。

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