八月六日……その六……
夏休み……八月六日……。
オールブレイカー対タイムトラベラーの戦いは熾烈を極めていた。
「俺の攻撃から逃げ切れると思うのかー? タイムトラベラーさんよー!」
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は、デストロイモードになっているせいで性格が少し……いやかなり凶暴化している。
破壊エネルギーを全身に纏うこの形態は、彼の奥の手その一らしいが、本当かどうかは分からない。
「あなたのような危険な存在はここで始末します!」
タイムトラベラー。歪んだ歴史を変えるためにいくつもの世界を渡り歩いてきた存在。
ペストマスクと黒い帽子(ハットの方)と黒いタキシードが特徴的な男性である。
彼は『ニク』と呼ばれる乗り物に悪魔の兵器……『原子爆弾』を載せて運ばせている。
分かりやすく言うと、オールブレイカーの世界にその悪魔の兵器を投下しようという算段である……。
「危険だと? 俺の世界に物騒な物を解き放とうとしている、お前の方がよっぽど危険だと俺は思うけどな!」
「たしかに私がしようとしていることは、あなたの今の状態と変わりないかもしれません。ですが、これは私の世界を救うためです!」
「だから、このまま見過ごせって言うのか? 冗談は格好だけにしろよ! 俺の世界を……またあの日のような地獄を……起こす気なのか! なあ! どうなんだよ! 答えろ! タイムトラベラー!!」
「……ええ、そうですよ。でもそうしないと私の世界は救われません。だから、私は……この手を血に染めようとも……私の世界を救ってみせます!」
「……あっ、そ。じゃあ、もういいよ。俺はお前をこの世界の害虫として今すぐ駆除してやる。だから、あの世で恨むなよ?」
「……そ、そうですか。ならば、こちらも覚悟を決めましょう。さぁ、かかってきなさい!」
オールブレイカーが、その拳を振り上げた瞬間、オールブレイカーは、それを『ニク』に叩きつけた。
「なっ……! いったい何を……!」
「オールブレイカー……発動」
その直後、『ニク』と『悪魔の兵器』は存在ごと破壊されてしまった。
空中に放り出された二人は、こんな会話をしていた。
「なぜですか! なぜあのようなことを……!」
「なぜ? 俺の目的は最初からあの物騒な物を破壊することだけだ。お前一人の命なんてどうでもいいんだよ」
「そ、それでいいのですか!? 私をここで殺さなければ、また同じようなことをするかもしれませんよ?」
「その時はその時だ。また今みたいに跡形もなく破壊してやるよ」
「い、いったい何なのですか? あなたは。それだけの力があるのに、なぜ!」
「だからこそだよ……。人の域を超えた力を持つ者だからこそ、俺はむやみに人を破壊したりしない。俺はこの力を、世界の……いや、俺が正しいと思った時にだけ使う。ただ、それだけだ」
「……なるほど。そうですか……。では、次に会った時があなたの最期だと思ってください。この次は必ず、あなたを世界から抹消します」
「ほう、それは楽しみだな。俺を倒せるやつがこの世に存在するなら、一度くらい戦っておきたいと思ってたからな」
「ふん……ならば、首を洗って待っていてください。その時までせいぜい幸せな日々をお過ごしください」
タイムトラベラーは、そう言うとどこかの時代へ飛んでいってしまった。
「けっ……調子に乗りやがって……。でもまあ、それまでせいぜい楽しませてもらうよ。オールブレイカーとしてではなく、普通の高校生としてな……」
その後、彼がその日起こった出来事を破壊したため、タイムトラベラーの一件は無事に解決した。
しかし、彼と再び衝突する日は近いかもしれない……。




