八月六日……その四……
夏休み……八月六日……。
「おいおい、俺の攻撃が当たらないってことは、俺の能力もお前には当たらないってことか?」
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』がそう言うと、『タイムトラベラー』はこう言った。
「はい、その通りです。未来のあなたは、私を殺せませんでした。ですから、私はここにいます」
「そうか……。けど、それは未来の俺がお前に絶望を与えないようにしたんじゃないのか?」
「何ですって?」
オールブレイカーはニシリと笑いながら、彼の方を見た。
「だーかーら、お前にわざと希望を与えて、あとで一気に絶望する様をその時の俺は見たかったんじゃないかって、言ってるんだよ」
「な、何を根拠にそんなことを……」
「根拠……? そんなの決まってるじゃないか。これから人類に絶望を与えに行くお前に……それ以上の絶望を味わってもらいたいからだよ!」
「……!!」
オールブレイカーの狂った笑顔は、『タイムトラベラー』の頭を混乱させた。
「な、なら、その前に死ねえええええええええ!!」
『タイムトラベラー』が彼に攻撃を仕掛けた瞬間、オールブレイカーは、奥の手……その一を発動した。
「オールブレイカー……デストロイモード!!」
「な、なにい!?」
オールブレイカーの体の周囲に漂う赤いオーラは、赤い雷のようだった。
それは、オールブレイカーの破壊エネルギーが赤い雷となってこの世に顕現したかのようなものだった。
「そ、それはいったい何なのですか!? そんなもの、未来のあなたは一度も……」
「未来の俺が……過去の俺に不利なものを……見せるわけねえだろうが……」
「で、では、それはいったい……」
「あぁん? そんなの見れば分かるだろ? これは、俺の体の中に有り余ってる破壊エネルギーを自分の体に纏わせることで、自身の肉体を破壊エネルギーそのものに変える……俺の奥の手……その一だ」
「お、奥の手……その一? ま、まさか、まだ他にも何か隠しているとでも言うのですか?」
「はぁ? そんなの当たり前だろ? さあ、始めようぜ。破壊と時間遡行の戦いを……!!」
「くっ……! その禍々《まがまが》しいオーラをこの時代に放置しておくわけにはいきません! 私の全力で必ずあなたを倒してみせます!」
「やれるもんなら、やってみろよ。けど、俺たちの乗ってるこの乗り物の中には、原子爆弾があるってことを忘れるんじゃねえぞ?」
「ええ、分かっていますよ。あなたにそれを破壊されるわけにはいきませんし、この時代にあなたのような危険な存在を居座らせておくわけにもいきません!」
「よおし、じゃあ、始めようぜ!! あははははははははははは!!」
オールブレイカー対タイムトラベラーの本当の戦いが今、幕を開ける……。




