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八月六日……その二……

 夏休み……八月六日……。


「うーん、さっきのは夢だったのかな……?」


 オールブレイカーこと『不死鳥ふしどり 壊人かいと』は、頭をポリポリきながら、階段を降りていた。

 彼は先ほど、『タイムトラベラー』と名乗る謎の超能力者と遭遇そうぐうした。

 彼がオールブレイカーを一九四五年八月六日の広島市に呼んだ理由はあの悪魔の兵器を……原子爆弾……略して原爆を破壊してほしいからだった。

 しかし、オールブレイカーはそんなことをしても今度は俺の力をどうにかするために戦争が起こると言って、彼の計画に反対した。

 彼はなぜかオールブレイカーの要求を受け入れてくれたのだが……。


「まあ、深く考えても仕方ないよな……。とりあえず朝飯にするか」


 彼がリビングに行くと、なぜかテレビがついていた。


「おいおい、誰だよ。こんな朝っぱらから……」


 その時、彼はニュースキャスターが報道している情報に思わず息を飲んだ。


「おい……うそだろ? なんで……どうして……どうして『あの兵器』が日本に向かってきてるんだ……?」


 学校の教材でしか見たことがなかった『あの兵器』がこちらに……日本に向かってきている。

 戦争はとっくに終わったはずだ。

 なのに……どうして……!

 彼のいきどおりが家内を震わせる。

 彼の……オールブレイカーとしての力がそうさせている。

 彼がテレビの画面にうつっている彼の存在に気づかなければ、オールブレイカーは家を破壊していたかもしれない。


「……こ……こいつ……まさか……!」


 彼は、『タイムトラベラー』の姿をその目で確かに見た。

 その直後、彼は『タイムトラベラー』がいる場所へと急いだ。


「……来たか」


 黒い帽子(ハットの方)とペストマスクと黒いタキシードが特徴的な『タイムトラベラー』がそうつぶやくと、オールブレイカーが現れた。


「おい……なんでお前が俺の時代にいるんだよ。それに、なんでこんな物騒ぶっそうな物を日本に向けて飛ばしてんだ?」


 彼は闇しか感じられない瞳で彼をにらんだ。

 二人が乗っている空飛ぶ乗り物のことは……ここでは『ニク』と呼ぶことにしよう。

 それは、『悪魔の兵器』を目的地まで運ぶと、合図と共にそれを投下する。

 それは、人々が築き上げたものをことごとく破壊し、黒い雨を降らせ、その付近にいる人たちには、水を飲むことすらも死に直結するやまいに犯す。


「……わたくしは歴史を変える力を持つ者として、あなたの存在を歴史から抹消しに来ました。ただそれだけです」


「ほう、なら、少しくらい痛い目に合わせても……いいってことだよな?」


 その直後、彼の顔から……雑念が……消えた……。

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