まだまだ終わらない
夏休み……帰り道……。
「いやー、山も結構、楽しかったねー」
赤髪ポニーテールと赤い瞳と小柄な体型が特徴的な女子『田中 泉』は、腕を頭の後ろに組んだ状態でそう言った。
「まあ、私は散々な目にあったけどね……」
黒髪ロングと黒い瞳が特徴的な真顔女子『梅雨原 霞』は少し俯いた状態でそう言った。
「まあ、田中さんが俺たちを守るために裏切ったふりをしてくれなかったら、下山できなかっただろうから、そこは感謝だな」
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は、のっしのっしと歩きながら、そう言った。
「うんうん、大いに感謝してもらって構わないよー。私のおかげでみんなが助かったんだから」
田中さんがニコニコしながら、そう言うと梅雨原さんが痛いところを突いた。
「まあ、そのせいで……山がめちゃくちゃになって……後始末が大変だったんだけどね……」
「うっ! そ、それは……そうだけど……」
「まあ、そこはあれだ。結果オーライってことで」
「そ、そうだね。壊人の言う通りだよ。あはははははは」
「……まあ、今回はそういうことにしておきましょう。けど、次にあんなことをしたら、恨むわよ?」
梅雨原さんの黒い瞳がギラリと怪しく光った時、田中さんは身震いした。
「う、うん、分かった。次からは気をつけるよ」
「そうしてもらえると助かるわ」
こうして、山での二日間は終わりを迎えた。
しかし、夏休みはまだまだ終わらない。
花火大会も肝試しも、そうめん流しもやっていない。
これからどんどん暑くなるが、そんなものは気合でなんとか……できる時とできない時があるから、こまめに水分補給をしよう!
さぁ、行こう! 夏という名のシャングリラへ!
*
「ついに完成したぞ! これこそが私の最高傑作! パーフェクトブレイカーだ!!」
怪しげな研究所で白衣を纏った怪しげな科学者が怪しげな液体と共に筒状のガラスケースの中に入っている『生命体』を見ながら、そう叫んだ。
それは、胎児のように体を丸めており、その容姿はオールブレイカー……つまり『不死鳥 壊人』にそっくりだった。
それがゆっくりと目を開けた瞬間、彼は半径三キロ圏内にある建造物と生命体を破壊した。
彼の名前は……『パーフェクトブレイカー』。
オールブレイカーを倒すために生み出された存在である。
しかし、幸か不幸か彼の精神はまだ安定していないようだ……。




