早朝トレーニング?
夏休み……山……。
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は、日課の早朝トレーニングをしていた。
「力をコントロールするには、とにかく意識を集中しないといけない……って、母さんが言ってたから木の枝を少しずつ破壊するトレーニングをやってきたが……もう少し小さな物を破壊することにしよう」
彼はそう言うと、足元にいる『ダンゴムシ』に力を使った。
よく見ないと分からないと思うが、彼は『ダンゴムシ』の足を一本破壊した。
それは、ほんの数ミリだったため、よーく見ないと絶対に分からない。
「まあ、ミリ単位は普通だよな……。いや、待て。そもそも虫じゃなくても、その辺に生えてる雑草にすればいいんじゃないか?」
彼はそう言うと、その辺に生えている雑草を破壊することにした。
「うーん、雑草ならいくら破壊してもいいよな……」
それから彼はひたすら雑草を破壊し始めた。
とにかく雑草を破壊しまくった。
すると、あることに気づいた。
「これ、この辺り一帯を破壊した方がいいよな……」
チマチマやっていても雑草は無限に生えているため、一気に破壊しないと効率が悪い。
そのことに気づいたオールブレイカーは、半径一キロ圏内にある雑草を破壊することにした。
「ここから半径一キロ圏内に生えている雑草を……一気に破壊するイメージ……」
彼は目を閉じると、頭の中でその様子を思い浮かべた。
すると、次の瞬間、半径一キロ圏内に生えている雑草が一瞬で消えてしまった。
「あっ……」
その時、彼は気づいた。
今、自分がやったことは自然破壊だということに……。
「やばい……。雑草に該当するものを全て破壊しちまった……。どうしよう……」
彼は困った。
このままにしておけば、自分がやったことがバレてしまうかもしれない……。
そうなれば、野良超能力者たちがここにやってくるかもしれない……。
だから、彼は考えた。
目の前にツキノワグマが現れても、一生懸命考えた。トンビが頭に乗ってきても一生懸命考えた。
イノシシが突進してきても、華麗に躱しながら、考えた。
しばらく考えた後……彼はこんなことを思いついた。
「あっ、そうだ。宇宙人のせいにしよう」
彼はそう言うと、半径一キロ圏内に生えている雑草を破壊したイメージを拡散するように、意識を集中させた。
すると、ミステリーサークルが山のあちこちに出現した。
「あっ、やりすぎた……。うーん、まあ、いっか。雑草なら、また生えてくるだろうし」
彼はそう言うと、田中さんと梅雨原さんのところへ戻り始めた……。
それが全国ニュースで放送されることを彼はまだ知らない……。




