仲良し?
夏休み……不死鳥家……リビング……。
「……あー、なんで夏ってこんなに……」
「やめろ、心悟。それはもう分かっている」
「だってさー」
黒髪ショートの少年『不死鳥 心悟』は、オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』にそう言った。
今年の夏が暑いことは、分かりきっている。
しかし、そのことをいちいち口にする必要はない。
故に彼は、義理の弟である心悟にそう言ったのである……。
「はぁ……それにしても、今年の夏は一段とアレだな……。なあ、心悟。アイスいるか?」
「あー、うん、お兄ちゃんを……じゃなくて、ア、アイスちょうだーい」
今、なんか勘違いされそうなことを言っていたような……気のせいか……。
彼はそのことについて、あまり深く考えなかった。
というか、それをすると暑さでオーバーヒートしかけている頭に余計な負荷がかかると思ったため、深く考えないしたのである……。
「えーっと、アイス、アイス……って、ハ○ゲンダッツしかないな……。まあ、いいか」
彼は、冷凍庫の中に入っていたバニラ味とチョコ味のハ○ゲンダッツを取り出すと、心悟にこう訊ねた。
「おーい、心悟ー。ハ○ゲンダッツのバニラとチョコ……どっち食べるー?」
「…………」
彼は、心悟の応答が無かったため、彼がいる方を向いた。
しかし、そこに彼はいなかった。
それもそのはず……自分の目の前に立っていたのだから……。
「お兄ちゃん……僕ね……もう……我慢できない……」
顔を赤く染めたまま、彼の背中に手を回す心悟。
「ちょ! お前、体、熱いぞ! 大丈夫か?」
それを心配する兄……。
「うん……大丈夫だよ……。ただちょっと熱いだけ……だから……」
「そ、そうか。じゃあ、今から氷枕作ってやるから……ちょっと待っ……」
彼が最後まで言い終わる前に、心悟は彼の首筋に噛みついた……。
それは実に弱々しかったが、何かを確かめるようにじっくりと、なおかつ優しく噛んでいた……。
「はぁ……とうとう頭がおかしくなっちまったみたいだな……。とりあえず心悟をソファまで運ぶか……」
彼はハ○ゲンダッツを冷凍庫に入れた後、心悟をソファまで運んだ。
そして、氷枕&団扇で彼の体を冷やし始めた。
その様子を扉の隙間からカメラで撮影していたのは、二人の母親である『不死鳥 響』だった……。
ちょっと奥さん……いったい何を期待していたんですか?
彼女が何を妄想していたのかは……彼女にしか分からない……。




