雨の日の休み時間
時は流れ……六月のある日……。
「……はぁ……なんで六月って、雨ばっかり降るんだろう……」
赤髪ポニーテールと赤い瞳と小柄な体型が特徴的な女子『田中 泉』は今もなお降っている雨という名の槍を見ながら、そう言った。
「田中さん……人間は天気を予測できても、天気を変えることはできないんだよ……」
彼女の隣に座っているオールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は次の授業の準備をしながら、そう言った。
「でも、壊人なら、どうにかできるんじゃないの?」
「……はぁ……あのな、そんなことしたら、地球の天候を自由に操れる存在がいるっていう都市伝説が生まれて、俺やこのクラスのやつらが怪しまれるかもしれないだろ?」
「えー、そうかなー?」
「田中さん、あなたは彼の力をそんなことのために使おうとしているの?」
二人の会話に入ってきたのは、黒髪ロングと黒い瞳が特徴的な女子『梅雨原 霞』だった。
「え? いや、その……もし、そんなことができたら便利だな……って」
「田中さん」
「な、何?」
「不死鳥くんの力は、この世を全てを破壊できる危険なものなのよ? それをあなたの一存で彼に使わせようとするのは、やめてちょうだい」
「ご、ごめん……私、そこまで考えてなかった」
「……そう。なら、次からは気をつけることね。彼の力は決して他者の一存で使わせてはいけないものだということをみすみす忘れないで」
「う、うん、分かった」
彼女は田中さんにそう言うと、自分の席に座った。
「そ……その……ごめんね、壊人。私、最低だよね」
「最低? それは誰のことだ?」
「え?」
「俺が最低だと思っているのは、野良超能力者たちだけだ。田中さんや梅雨原さんのことをそんな風に思ったことは一度もない」
「……壊人」
「まあ、昔はよく天気を変えたり、いじめっ子を退治したりするために使ってたから、田中さんの気持ちは分からなくもない」
「そ、そっか。壊人にも、そんな時期があったんだね」
「当たり前だろ。生まれた時から高校生なら、こんなところ、もうとっくに卒業してるよ」
「うん、そうだね……。さあてと、それじゃあ、次の授業も頑張っていこう!」
「ああ、そうだな……」
彼はそう言うと、窓の外に立っていた風使いの超能力者をみんなにバレないように、存在ごと破壊した。
そいつは、ワカメ頭だった。しかし、雨に濡れているせいで、性別は分からなかった……。




