田中さんのおかげ
火曜日……夜……学校のグラウンド……。
「よいしょっと」
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は『夜を支配する者』を半ば脅して(演技)二人がいる場所まで案内させた。
そして、たった今、戻ってきた……。
「おい、二人に何かしてないだろうな?」
「は、はい、もちろんです!」
黒影製の人は震えながら、そう言った。
「そうか……。じゃあ、お前を破壊してもいいよな?」
「ま、待ってください! ここで俺を殺すなんてもったいないと思いませんか?」
「うーん、たしかにそうだな……。けど、お前は夜にしか能力を使えないんだろ?」
「は、はい、そうです。その通りです」
「よし、じゃあ、破壊しよう」
「いやいやいやいや! ちょっと待ってくださいよ! 俺は夜なら無敵なんですよ? 偵察任務や侵入経路の確保などに適していると思いませんか?」
「そんな映画に出てきそうなことをする必要があれば、たしかにお前の能力は便利だ……けど、俺はこの世の全てを破壊できるから、どんなに警備を強化しても、俺の前じゃ、無力だ」
「し、しかし……!」
「あー、もう面倒だから、破壊してもいいか?」
「ひいいいいい! お、お助けええええええええ!」
「おいおい、これじゃあ、どっちが悪いやつなのか分からなくなるじゃねえか……」
その直後、二人が目を覚ました。
「あ、あれ? 壊人? というか、ここって、学校の……グラウンド?」
「どうやら……そう……みたいね……」
赤髪ポニーテールと赤い瞳と小柄な体型が特徴的な女子『田中 泉』&黒髪ロングと黒い瞳が特徴的な真顔女子『梅雨原 霞』はそれぞれそう言った。
「二人とも大丈夫か! 怪我してないか?」
「あー、うん、大丈夫だよ」
「ええ、大丈夫よ」
「そうか……。でも、ごめんな。俺が二人から目を離したせいで、二人に迷惑かけちまった」
彼は俯きながら、そう言った。
「壊人、私の目を見て」
「な、何でだ?」
「いいから見て」
「わ、分かった……」
彼は目尻に涙を浮かべたまま、田中さんの目を見た。
「もう、男の子がいつまでもめそめそしてちゃダメでしょ?」
「だ、だって、俺のせいで二人は……」
「今回の件は完全に私たちが悪いんだから、壊人が責任を感じる必要はないんだよ?」
「で、でも……」
「壊人、いい加減にしないと怒るよ?」
「は、はい、ごめんなさい」
「よろしい。あー、あと、そこの黒い人」
「は、はい、何でしょうか?」
「今日から遅くまで壊人の家にいるから、夜の間だけ、私たちの近くに超能力者がいないか見張っててくれないかな? それで今回のことは無かったことにしてあげるから」
「は、はい、もちろんです! ぜひ、やらせてください!!」
「よし、決まりね。それじゃあ、早く帰りましょう。結構、遅くなっちゃったから」
「そ、そうだな。早く帰ろう」
「そうね。早く帰らないと、明日に響くわ」
「よし! それじゃあ、早く家に帰ろう!!」
田中さんのおかげで、今回の一件は丸く収まったのであった……。




