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八月三十一日……その一……

 夏休み最終日……朝……。

 まあ、夏休み中も学校に行っていたから、別にどうでもいいが、とりあえず夏休み最終日である。


「……ちゃん……に……ちゃん……お兄ちゃん」


「……ん……うーん……なんだ、もう朝か……」


 彼が誰かの声で目を覚ますと、目の前に美少女が……いや美少年がいた。


「お兄ちゃん、朝だよ。起きて!」


「うーん……あと五年……」


「うん、分かったー。じゃあ、五年後に起こしに来るねー……って、そんなに寝てたらダメだよ! ほら、起きて! お兄ちゃん! ねえ! お兄ちゃんってば!」


不死鳥ふしどり 心悟しんご』がオールブレイカーこと『不死鳥ふしどり 壊人かいと』の体を揺らすと、彼は心悟しんごを抱き寄せた。


「わーい、抱き枕だー」


「ぼ、僕は抱き枕じゃないよ! お兄ちゃんの義理の弟だよ!」


「そんなのどうでもいいんだよー。お前はおとなしく俺の抱き枕になれー」


 彼が寝言(?)を言うと、心悟しんごは彼の言う通りに……しなかった。


「お兄ちゃん、ほら起きて。遅刻しちゃうよ」


「別にいいー」


「じゃあ、僕がクラスメイトの誰かと一緒に登校するとしても?」


 その直後、彼は飛び起きた。


「うちの可愛い弟は誰にもやらん! 異論は認めん!」


「そ、そんな風に言われるとなんだか照れるな……」


「えっ? あー、そうだな。すまない……」


「ううん、別にいいよ。気にしてないから」


「……そうか」


「……うん」


 二人はベッドの上でしばらく見つめ合うと……。

 お互いの頬に、おはようのキスをしようと……。


「二人ともー! 朝ごはんできてますよー!」


 その時、彼の実の姉である『不死鳥ふしどり 卯月うづき』が部屋に入ってきた。


「ね、姉さん! いきなり入ってくるなよ!」


「そ、そうだよ! ノックぐらいしてよ!」


「……その反応。まさか二人で私には言えないことをしていたのですか?」


「そ、そんなわけないだろ! なあ? 心悟しんご


「そ、そうだよ! 兄弟でそんなことするわけないよ!」


「そうですか。なら、いいんですけど……。じゃあ、できるだけ早く身支度みじたくしてくださいね。朝ごはんが冷めてしまいますから」


「お、おう、分かった」


「う、うん、分かった」


 姉が出て行くと、二人は顔を見合わせた。

 その直後、二人は頬を真っ赤にしながら、そっぽを向いた。


「そ、その……み、身支度するから、先に行っててくれ」


「う、うん、分かった」


 その後、二人は自分が今すべきことをやり始めた。

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