彼の秘密
八百万高校……。(県立)
「不死鳥くーん!」
「……何か用? えーっと……」
「となりの席の『田中 泉』だよ!」
赤髪ポニーテールと赤い瞳と小柄な体型が特徴的な女子は彼のところまで走ってきたようだ。
なぜなら、少し息切れしているからである。
ちなみにここは廊下である。
「そっか……。で? 俺に何か用?」
「あー、そうそう、不死鳥くんはここに来て間もないでしょ?」
「まあ、今日、転校してきたからな」
「明日から連休に入るから、しばらく学校に来ないよね?」
「まあ……そうだな」
「だから、私がこの学校を案内して……」
「いや、俺、忙しいから、また今度な」
「いやいやいやいや、今日じゃないと意味ないんだから、おとなしく私の言うことを聞きなさい!」
彼女はそう言いながら、彼の手を握った。
すると、彼は闇しか感じられない黒い瞳で彼女を睨みながら、こう言った。
「この手を離せ……。死にたいのか?」
「あ……いや、その……ごめん……」
「別に謝らなくていいよ。とにかくこの手を離してくれ」
「あ……うん」
彼女はそう言うと彼から手を離した。
「じゃあ、またな。……テンション高めの人」
「あ……うん……って、私の名前、ちゃんと覚えてよおおおおおおお!!」
*
不死鳥家……。リビング……。
「ねえ、壊人。学校はどうだった?」
「別に普通だったよ」
「そっかー。友達はできた?」
「できるわけないだろ。まだ転校初日だぞ」
「もうー、お母さんに冷たいのは相変わらずねー」
『不死鳥 響』は元世界最強の超能力者であり、彼の母親でもある。
黒髪ロングと黒い瞳と無駄にでかい乳が特徴。いつも白衣を着ている。
「……ごちそうさま。じゃあ、行ってくる」
「うん、いってらっしゃい。気をつけてね」
「ああ、分かってるよ」
彼は中辛のカレーを食べ終えると超能力者を狩りに学校へと向かった。
「夜の学校は怖いな……。忘れ物なんかするんじゃ……」
その時、屋上の方からものすごい音がした。
警察官の娘だからかは分からないが、彼女は自然と屋上に向かった。
「能力は『気炎』か……」
「お、お前……まさか!」
「ああ、そうだよ。俺が『オールブレイカー』だ。お前らみたいな野良超能力者を狩る存在だ。ということで、お前は終わりだ。オールブレイカー……発動」
「うわああああああああああああああああああ!!」
坊主頭の少年は彼の力でその存在ごと破壊された。
「よし……任務完りょ……」
「ふ、不死鳥くん……今の何?」
「田中さん……だったかな。今、見たことを誰かに話したら、君のことも今みたいにしなくちゃいけなくなるから……気をつけてね?」
彼は闇しか感じられない黒い瞳で彼女を睨むと、一瞬で野球場で使うナイター照明までジャンプし、そのあと、学校の正門付近までジャンプした。
彼女はその場にペタンと座ると、しばらくその場から動けなかったそうだ……。




