テスト期間
火曜日の朝……八百万高校……。
「中間テスト?」
オールブレイカーこと『不死鳥 壊人』は隣の席に座っている赤髪ポニーテールと赤い瞳が特徴的な女子『田中 泉』にそう言った。
「うん、そうだよ……って、もしかして定期試験受けたことないの?」
「まあ、ここに来る前は転校ばっかりだったからな……」
「え、えーっと、その……赤点っていう言葉は知ってる?」
「えーっと、伊勢名物の赤福の親戚か何かか?」
「違うわ。テストで三十点未満の点数……つまり、『落第点』のことよ」
彼にそう言ったのは、黒髪ロングと黒い瞳が特徴的な真顔女子『梅雨原 霞』だった。
「なるほど。そういうことか……」
「ええ、そうよ。そして、それを繰り返すと、留年……つまり、進級できずにもう一年、その学年の勉強をする羽目になるわ」
「それは嫌だな……。せっかくできた友達と同じ教室で学べなくなるのは……」
その時、田中さんは彼の肩をポンポンと叩いた。
「大丈夫だよ! 来週までに、テスト範囲を勉強していれば、そういうことにはならないよ!」
「……田中さん」
「そうね。田中さんの言う通りだわ。それじゃあ、今日の放課後から始めましょうか。テスト勉強を」
「それ、僕も参加していいかな?」
その時、ヒョコッと顔を出したのは、黒髪ショートと黒い瞳が特徴的な壊人の義理の弟『不死鳥 心悟』であった。
「うーん、そうだな……。それじゃあ、うちでやるか? そのテスト勉強ってやつを」
「え? いいの?」
「ああ、いいぞ。なあ? 心悟」
「うん、そうだね。それがいいと思うよ。それに、お母さんも二人の顔を見てみたいって言ってたから」
「へ、へえ、そうなんだ」
「そ、そう……」
ん? なんで二人とも顔が赤いんだ?
風邪でも引いてるのかな?
「おい、二人とも。大丈夫か?」
彼はそう言いながら、二人の額を自分の額にくっつけた。
「ふえっ!?」
「ふ、不死鳥くん……急にどうしたの?」
「え? いや、二人とも顔が赤かったから、風邪でも引いてるのかなって」
「な、なあんだ。そういうことかー」
「な、なるほど……そういうことだったのね」
「ああ、そういうことだ。でもまあ、二人とも元気そうで良かったよ」
彼はそう言うと、二人の額を自分の額から離した。
「ん? どうしたんだ? 心悟。顔が真っ赤だぞ?」
「そ、そんなことないよ! ただ……」
「ただ?」
「お、お兄ちゃんって、意外と大胆だよね……」
「うーん、そうかなー? 別にそうでもないと思うけど……」
その時、三人は思った。
世間知らずな彼の行動は、時に人をその気にさせてしまう恐れがあるものだと……。
「じゃあ、今日の放課後から俺の家で、テスト勉強をするってことでいいか?」
「え? あー、うん、私はそれでいいよ」
「え、ええ、私もそれで構わないわ」
「う、うん、僕も大丈夫だよ」
「よし、じゃあ、決まりだな」
その時、予鈴が鳴ったため、彼らは自分の席に戻っていった……。
どうやら、これから面白いことになりそうです。




